子育てや仕事のために自分の時間が取れず、検診などを後回しにしていませんか?「少しでも違和感があったら、すぐに受診をしてほしい」とSNSで発信している「うたおとファミリー」さんは、卵巣腫瘍の破裂を経験しました。双子のお母さんでもあり、仕事もしているため、忙しい日々の中で自分のケアを後回しにせざるを得なかったと話しています。
そこで、病院へ行くまでにどのような違和感があったのか、経験から伝えたいことなどを聞きました。
仕事中に下腹部痛が…
ある日、うたおとファミリーさんは生理が遅れていたことと、お腹が痛かったことから産婦人科を受診します。
「妊娠かもしれない」と少し期待をしていたのですが、医師からの言葉は「6センチの腫瘍ですね」というものでした。
「子どもを授かりたいという気持ちが強かったので、ショックでした。もう妊娠が難しくなるのではないかという不安も感じました…」とそのときの気持ちを振り返ります。また旦那さんについては「私よりもショックを受けており、これからどうなるんだろう、早く詳しく調べて治療してほしいと言っていました」と語ります。
そこで大きい病院を紹介され受診しますが、卵巣嚢腫か卵巣がんを調べるためにはMRI検査が必要になるため、検査ができる日を指定されました。

しかしその数日後、うたおとファミリーさんは仕事中に下腹部痛に襲われます。以前よりも痛みが強かったため、仕事を早退し受診したところ医師は「痛かったでしょう…破裂しています」と。卵巣腫瘍の破裂は、内容物が腹膜に接触することで、痛みが出るという説明を医師から受けたといいます。
うたおとファミリーさんは、座薬などの痛み止めでコントロールをしてもらい、安静にすることを条件に入院はせずに自宅療養をすることにしました。
自分の優先順位が低かった
うたおとファミリーさんは、詳しい検査の結果、腫瘍は破裂しましたが、今のところ良性腫瘍の可能性が高いため、定期的に検査し様子観察となりました。良性腫瘍であれば、破裂したものが自然に吸収されるのでそのままでも大丈夫なのですが、内容物が腹膜に接触するため、1ヶ月程度は痛みがあると医師からは言われています。

うたおとファミリーさんは病院を受診するまでに、生理痛が強くなったこと、下腹部痛や排尿時排便時痛などの違和感には気づいていました。しかし、自分のために病院へ行く余裕がなく、耐えられなくなるまで我慢してしまいました。

そのため「がん検診のハガキなどが家に来ると、受診しなければなぁ…」とは感じていましたが、双子を出産してから検診を受けずに2年が経過していました。

「双子の子育てや仕事の両立で、自分のために使う時間がなかった。自分の優先順位が低いことが理由です」とうたおとファミリーさん。自身が卵巣腫瘍の破裂を経験したことで、早期発見や早期治療につながるためにも検診を受けることや、少しでも違和感があったらすぐに病院を受診してほしいと語っていました。
家族のためにも自分を大切にする時間を
うたおとファミリーさん自身も、今後は少しでも違和感があったり、不調に感じたりしたときには、周りを頼って受診するようにしたいと話します。
そして「一番守りたい人を守るには、まず自分が健康であることが大切」だと。
「親になると、自分の優先順位は低くなると思いますが、家族のためにも自分を大切にする時間も作ってほしいです」と自身の経験を通して、世の中のお母さんたちやその家族に伝えたいことを語ってくれました。
仕事や子育てに追われる毎日では、自分のことを後回しにしがちです。周囲に頼るのが難しく、一人で抱え込んでしまう方もいるかもしれません。
しかし、早めの受診が健康維持につながります。後悔しないためにも、違和感を覚えたら周りに協力をお願いし、早めに受診することが大切です。一番大切な人を守るために、まずは自分を大事にする時間を持ちましょう。