膝に違和感…「歩きすぎたのかな」しかし、その後病名を知り「手が震えました。私も家族も信じられないという感じでした…」その後SNSでの発信を始めたわけに迫る

膝に違和感…「歩きすぎたのかな」しかし、その後病名を知り「手が震えました。私も家族も信じられないという感じでした…」その後SNSでの発信を始めたわけに迫る
手術後(@9080__mさんより提供)

「まさか自分ががんになるとは思っていなかった」とTikTokで語る、びんころさん。
びんころさんは22歳にして、骨肉腫と診断されました。骨肉腫とは骨にできる悪性腫瘍のことで、希少がんに分類されます。病気になって半年で「健康で元気なことがどれほど幸せか」ということに気づかされたと話します。

そう考えられるまでに、どのような苦しみを乗り越えてきたのかを取材しました。

※希少がん…人口10万人あたり6例未満の罹患率(発生率)を有する、まれな悪性腫瘍の総称。

22歳で骨肉腫に…

びんころさんは、あるときから膝に違和感を覚えます。最初は「歩きすぎたのかな…」と感じていたものの、立ち仕事をしている際に鈍い痛みがありました。しかしその後、だんだんと歩くのも辛いほどの痛さに…。

そこで病院へ行き、診断の結果、医師から骨肉腫であることを告げられたのです。それは2024年6月20日のこと。痛みを感じ始めてから病気だと分かるまでは2ヶ月ほどでした。

びんころさん(@9080__mさんより提供)

現在23歳になったびんころさん。病名を聞いた当時は「手が震えました。私も家族も信じられないという感じでした…」と話します。また、びんころさんは友達を骨肉腫で亡くしていることからも、驚きを隠せなかったといいます。

治療の様子①(@9080__mさんより提供)
治療の様子②(@9080__mさんより提供)

そして手術と抗がん剤を乗り越え、現在はリハビリと残りの抗がん剤治療を行っています。

当たり前にしていたことは当たり前じゃなかった

びんころさんが入院中大変だったことは、抗がん剤治療と家にいられないことでした。

抗がん剤治療(@9080__mさんより提供)

抗がん剤治療によって髪の毛が抜け、びんころさんはたくさん泣いたといいます。

抗がん剤治療(@9080__mさんより提供)

「抗がん剤をしたらもっとしんどい、入院していたら遊びにも行けない、もちろん仕事もできない」という経験をし、今まで当たり前にしていたことは当たり前じゃなかったんだな…と気づかされたといいます。また、何気ない日常が幸せだったということも…。

こうした入院生活を家族や友達、彼氏が支えてくれたことによって闘病生活も残り半分となりました。
「このまま突っ走って、絶対治す!」と力強く語ってくれました。

自分の発信で少しでも元気になってもらえれば…

もともとSNSには興味があったというびんころさん。そこで、びんころさんのお兄さんが「やってみたら?」とすすめてくれたことがきっかけで、自身の病気について発信していくことにしました。

手術後(@9080__mさんより提供)

投稿には、髪の毛が抜けた後の様子がたくさん見られます。それには「同じ境遇で悩んでいる人がたくさんいると思ったので、これを見て少しでも元気になってもらえればいいな…」という思いがありました。

一時退院のとき(@9080__mさんより提供)

こうした投稿には、多くのコメントが寄せられていました。中でも印象的だったのは「あなたのようなポジティブな人には、それなりの結果がついてくると思います!頑張ってください!」というコメントだったといいます。

「とても嬉しかったお言葉です。世の中には優しい人がいっぱいいると感じました」と話し、他にも「悪いものが吹っ飛んでいっちゃいそうな素敵な笑顔」「元気をもらえたので、発信し続けてくださいね」「辛いことたくさんあると思うけど、その笑顔ずっと変わらず見せてね」などの応援コメントで溢れていました。

びんころさんは22歳で骨肉腫と診断されましたが、若くしてがんを経験し「体に違和感を覚えたら、早く病院に行くべき」ということを世の中に伝えたいといいます。また、びんころさん自身が、がんになった時に「どうして、自分が?」と思ったといいますが、他人事だと思わないことも大切だと話します。

骨肉腫は罹患した方のうち約60%が10~20歳代、40歳以上で約30%と言われています。しかし、身近にかかった人がいないかぎり、若年層に多いことや自分にも可能性があることはなかなか知られないのかもしれません。びんころさんのように、体に違和感を覚えたら早く病院にいくこと、他人事だと思わないことが大切だと気づかされた方も多いと思います。

「退院後、どう過ごすかはまだ未定ですが、今後は人のため、世のためになるお仕事がしたいと考えています」

辛い治療をしながらも、笑顔で前向きな発信は多くの人を元気にしてきました。多くの人を元気にしてきた分、びんころさん自身もキラキラとした笑顔で元気に生活できることを願っています。

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