生後1ヶ月の”娘の便の色”に違和感。その後、判明した『難病』に…母「まさかそんなはずはない」

生後1ヶ月の”娘の便の色”に違和感。その後、判明した『難病』に…母「まさかそんなはずはない」

今回紹介するゆーまま(@yumama.0905)さんは、娘さんが現在とある病気と闘っています。
娘さんの成長記録をSNSに投稿しているゆーままさんに、病名が判明したときの気持ちや、出産を控えている方への思いなどの話を聞きました。

発生頻度は約1万人に1人

胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)とは、肝臓でつくられる胆汁の通り道である胆管が閉塞、または消失する病気です。生まれつき、または生後間もなくして発症する病気だといいます。この病気は1万人に1人の割合で発症するといわれていますが、発病の原因は不明。
早期発見の場合も、成人するまでに50%程度の割合で肝臓移植が必要に。根治が難しい指定難病を受けている病気です。

1ヶ月健診時の娘さん(@yumama.0905さんより提供)

この病気の疑いを伝えられたのは、娘さんの1ヶ月健診のときでした。健診に便の写真を持参したところ、便の色を指摘されその場で血液検査することに。翌日に大学病院に受診することを勧められました。

「1ヶ月健診のときに疑いを伝えられ『まさかそんなはずはない』『大学病院で詳しく検査をしてもらって安心したい』と思いつつ、不安な気持ちでいっぱいでした。お腹を開けて胆道閉鎖症が確定したときは『やっぱりそうだったのか』『無事に手術が終わってほしい』と祈る気持ちでした」と、ゆーままさんは当時を振り返ります。

実は、出産直後から黄疸の数値が高めで、光線療法を必要とする一歩手前だった娘さん。しかし、退院までに黄疸の基準値を超えることはなく、そのときは予定通り退院しました。2週間後の健診の際も、黄疸の数値は徐々に低下しており、そのときに排便も確認しましたが特別な指摘はなかったといいます。

そして、退院時にゆーままさんは「1ヶ月健診時に、うんちの写真を撮ってきて下さい」と産院から声掛けされました。

娘さんの記念写真(@yumama.0905さんより提供)

産院での声掛けによって…

ゆーままさんが娘さんの1ヶ月健診で便の写真を持参したきっかけは、産院による声掛けがきっかけでした。その産院では、産後入院中のすべての方へ「1ヶ月健診時に便の写真を持参してください」と声掛けしているそうです。

「このような声掛けをしている産院は少ないのが現状だと思います。排便色に関する声掛けや、行動の促しがある病院・クリニックが増えたらいいなと感じました」と、ゆーままさんは早期発見の大切さを語ってくれました。

現在の娘さんは、胆汁の生成を促す薬を飲むことと、2ヶ月に1回の受診以外は特別な症状なく過ごすことができているといいます。しかし、胆管炎などを起こすリスクが高く、肝臓の機能低下がいつ起きるか分かりません。いずれ肝臓移植が必要となる可能性も十分あり、まだまだ予断を許さない状況です。

SNSでの発信のきっかけ

娘さんが胆道閉鎖症の疑いがあると分かった時点で、SNSアカウントを開設していたゆーままさん。
「同じ病気を患う子の親御さん、当事者の方から励ましのメッセージ、共感のメッセージをもらい、とても救われた気持ちになりました」とSNSに励まされることが多かったといいます。

「今後、娘がどのような経過をたどっていくのか不安で、同じ病気を患う他の方と繋がりたい」という気持ちがきっかけで、その後SNSでの発信を始めました。

「娘が胆道閉鎖症を持って生まれたことからの学びがとても大きいと感じています。今ある当たり前の幸せに気付くことができ、どん底を味わった分強くもなりました。健康に普通に家で過ごせることは全然当たり前じゃない。小さなことにも感謝できるようになったと思います。この病気と付き合っていくのは娘自身ですが、私の価値観にも大きな変化があったと感じています」と話すゆーままさん。

早期発見への呼びかけ

胆道閉鎖症は、できれば生後60日以内に肝臓と腸管をつなぐ手術をすることが望ましいとされていて、まずは早期発見がとても重要な病気だとゆーままさんは話します。

早期発見のためには…(@yumama.0905さんより提供)

「母子手帳に便色カードが付いているので、産後必ずうんちの色を定期的に確認してほしいです。医師の目線で異変に気付いてもらうためにも、2週間健診や1ヶ月健診のときに、排便したオムツを持っていく、もしくは便の写真を撮って持っていくことを意識できると、病気の早期発見に繋がります。また、うんちが母子手帳の便カラーカードと比較して1〜3番の色に見えるときは、すぐに病院に行ってほしいです!」と自らの経験をもとに伝えてくれました。

今後の発信についてゆーままさんは「娘を見ていての気付きや、この経験を活かし病気の認知拡大に向けて発信をしたい」とのこと。

すべての赤ちゃんが当たり前に、健康に生まれてくるとは限りません。
「絶対」はないという、ゆーままさんの思いがたくさんの方に届くことを願っています。

出典:難病医学研究財団/難病情報センター『胆道閉鎖症』『黄疸』

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