1歳で小児がんと診断され、現在5歳のぜんやくん。これまでに数えきれないほどの手術をしてきました。
母親のnatsumiさんは、病気について「いつ誰がなるか分からないなぁと。まさか我が子ががんになるなんて誰も想像していないし、考えたくもない。たくさん頑張ってきてくれて、今こうして元気に過ごせてるのも当たり前じゃない。子どもたちみんなが当たり前に大人になれる世の中になりますように」とInstagramの中でこうした気持ちを投稿しています。
そんなぜんやくんの病気が見つかったときの気持ちや受け入れ方など、両親にさまざまな思いを聞きました。
急に様子がおかしくなったある日…
ぜんやくんが1歳のときのある日。
急に歩けなくなり、首が傾いてよだれが出るようになります。
これはおかしいと思った両親は、休日診療で診てもらうことにしました。
しかし、大きい病院で診てもらったほうがいいとのことですぐに救急車で向かうことに…。
行った先の病院でCTを撮ったところ、頭の中に大きなできものがあると分かり、生検手術の結果、悪性の腫瘍、小児がんであることを医師から告げられました。
「なぜこの子が?ほんとに?」という気持ちだったと、両親はぜんやくんが小児がんだと診断されたときのことを振り返ります。
そして、ここからぜんやくんの治療が始まりました。これまで数えきれないほどの手術、そして抗がん剤治療、放射線治療を受けてきているぜんやくん。
さらに2024年6月には再発の手術をしています。このとき、ぜんやくんは5歳。幼いころの手術は何も言わずにしてきましたが、さすがに5歳となるといろいろわかってくるため、両親はぜんやくんにこう話したといいます。
「ぜんの頭の中にバイ菌がいてるねん。それを退治してもらわなあかんから頑張ろうな」と。
その言葉に対してぜんやくんは「あまり分かってないかなぁ」という印象でしたが、なんとなく何かを察してる様子はあったと両親はいいます。
両親の気持ち
ぜんやくんの治療を支えていく中で、両親は新型コロナウイルスの流行により、面会が制限されてしまったのがつらかったといいます。
それまで面会は24時間できたのが、1日1時間になってしまったそう。
そのときのことを両親はこう語ります。
「そばにいてあげられないのがつらくてたまりませんでしたが、病院の看護師さん、保育士さんにすごく助けてもらいました。私たち親が行けない間はプレイルームに連れて行ってくれたり、病室から出られないときには病室の中で制作などを一緒にしてくれたりとほんとに有難かったです」
また、これまでにたくさんの治療を乗り越えてきたぜんやくんに「痛いこと、寂しいこと、怖いことたくさんあったのに、いっぱいいっぱい頑張ってくれてありがとうと、生きていてくれてありがとう」という思いだと両親は話してくれました。
今後について
母親のnatsumiさんは、ぜんやくんの治療の経過などについてSNSで発信しています。
発信するきっかけとなったのは、natsumiさん自身も他の方の投稿から小児がんの治療のことなどを参考にさせてもらっていたからでした。
その中で小児がんにもいろいろあることを知り、natsumiさんも助けてもらったそう。そこで、助けてもらったぶん発信することで同じように誰かの参考になり「助けられたりできたらいいなぁ」と思い発信を続けています。
「そのおかけで同じ病気の人や、違う小児がんの親御さんたちと繋がりあえることができました。それってすごく心強いことだなと思います」とnatsumiさんは話してくれました。
6月の終わりには退院できたぜんやくん。そんなぜんやくんに両親は、いろいろなところに出かけていろいろな経験をさせてあげたいといいます。
ぜんやくんの退院には「おかえりなさい。よく頑張ったね!」とたくさんのコメントが寄せられていました。natsumiさんの発信によって、たくさんの人と繋がりができたことが伝わってきます。
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター『小児がんについて』