日常のなかにはさまざまな危険が隠れています。いつものように生活していても、危ない思いをすることもあるでしょう。
今回紹介するのは「満員電車で助けてもらったこと」についてのエピソードです。
イラスト:23ca
混雑する電車内で
リョウコ(仮名)さんが30代後半、働いていたときのことです。仕事を終えたリョウコさんは、1人で電車に乗りました。満員電車は慣れていたリョウコさんですが、その日はいつもよりさらに混んでおり、身長の低いリョウコさんは呼吸をするのもままならないほど。各駅で停車する度に降りる人と乗る人で人の流れができ、リョウコさんはどんどん隅に追いやられました。
そしてついに電車の連結部分のドアまで追いやられてしまい、それでも容赦なくグイグイと学生たちが押し寄せます。学生たちは、リョウコさんが見えていないのではないかと思うほど喋りながら押してきます。
すると、座席に座っているサラリーマンが「ここに女性がいますよ!」と大きな声で学生たちに言ってくれたのです。押しつぶされそうになっていたリョウコさんは、何とか助かったのでした。
危険回避のために
このときの出来事について、リョウコさんに話を聞きました。
ー助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
小声で「ありがとうございます」と言いました。苦しかったので声も絶え絶えだったことを覚えています。満員電車はいつものことですが、本当に圧迫しすぎであの日は危なかったので、あのサラリーマンにはとても感謝しています。
ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?
次の停車駅で降りて行ったので、お礼を言った以外の会話はありません。車内がうるさかったのでもしかしたらお礼がはっきりと聞こえていなかったかもしれません。
ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
同じことが起きないように、必ずつり革を持って人の流れに流されないようにしています。空いているつり革がない場合は、手すりにつかまって意地でも離さないようにしています。あと、満員電車から少しでも早く解放されるため、一駅、二駅前に降りて歩いて帰っていました。
リョウコさんはこの出来事を家族と友人に話したそうです。「そんな危ないことがあるんだね」など驚いた様子だったとのこと。
電車の中とはいえ、一歩間違えば危険な状態になることもあります。周りをよく見ながら危険のないように利用したいものですね。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。