飲食店で3歳の息子に対して苛立っている母親 次第に2人とも泣きそうになり、思わず声をかけると…→母親のイライラしていた表情に変化が

飲食店で3歳の息子に対して苛立っている母親 次第に2人とも泣きそうになり、思わず声をかけると…→母親のイライラしていた表情に変化が
『小さな子どもへの声のかけ方』イラスト:チッチ

子どもに対して、つい厳しく言ってしまうことはありませんか?なかなか言うことをきかない子どもに対して、イライラした経験もあるのではないでしょうか。今回紹介するのは「小さな子どもへの声のかけ方」についてのエピソードです。

イラスト:チッチ

なかなか食事が進まない男の子に

サナエ(仮名)さんが、家族で食事に出かけたときのことです。隣の席に座っていた若いママが、3歳くらいの男の子に一生懸命に食べさせていました。サナエさんの席とは座敷で繋がっており、男の子がサナエさんたちの方へ向かってバイバイしてきたことから、少し話しながら食事をすることに。サナエさんの子どもはもう高校生だったため「3歳の頃…懐かしいね」など言いながら食事をしていました。

しかし、男の子は途中からおしゃべりに夢中になってしまい、食事がなかなか進みません。ママは「ほら、早く食べちゃいなさい」と徐々に苛立ち始めました。男の子は怒られて渋々食べ始めますが、一口食べては「もうお腹いっぱい」とふざけて全然進みません。

しまいには、男の子もママも泣きそうになっていたので、サナエさんはとっさに「うちもこうだったな~懐かしい」と声をかけました。ママは「この時期は仕方ないですかね」と一言。

男の子がヒーローのおもちゃを持っていたので、サナエさんが「ヒーロー好きなの?」と聞くと、男の子は「ヒーローになる!」と言いました。そこでサナエさんが「ヒーローになるにはたくさん食べて大きくならないといけないらしいよ~」と言うと、男の子は一生懸命食べ始めたのです。

それを見たママは、イライラしていた表情がスッキリしていきました。食事が終わり、ママはサナエさんに「ありがとうございました」とお礼を言って帰っていきました。

ママにも子どもにもストレスにならないように

このときの出来事について、サナエさんに話を聞きました。

ーなぜ男の子にそのような声をかけたのでしょうか?
自分の子どもが小さかったときを思い出したからです。男の子はママとパパと外食を楽しんでいてテンションが上がってしまい、おしゃべりに夢中になっていた感じがあったので、怒られているのを見ていたら穏便に解決したくなってしまいました。ママもさっさと食事をして帰りたそうな感じがしましたが「みんなこの時期はそんな感じですよ」とみんなが通る道だとなだめられてよかったです。それぞれご家庭のしつけがあると思いますが、私の場合は、そのうち自然と外食でも食べるようになるのであんなに頑張ってできるようにしつけなくてよかったと思っていました。

ーサナエさんが取った行動で、そのママさんはどういった反応をしていましたか?
ママはイライラしていたのが治まってきて「家でも遊んだりおしゃべりしたりして、なかなか食べないんです」と悩みを話してくれました。私は「そうだよね~」と話を聞きながら食事をしました。
一方で、男の子は「ヒーローになる!ヒーローにならせてください!」と言いながらもりもり食べていたので、大人たちみんなで「君ならなれるね!」と言っておだてました。単純だけどやっぱり子どもは可愛いな~と思いました。子どもは子どものいうことをよく聞くので、うちの子どもからも「ご飯は遊ばないで食べるんだぞ」と言ってもらいました。

ーその後、そのママさんたちはどんな様子でしたか?
男の子は「わかったよ!」となぜか照れくさそうに返事をしていました。ママ含め大人たちはみんなで笑っていました。

ーサナエさん自身がした行動について、どう思いましたか?
ただのお節介ですが、たまたま隣になったのも何かの縁なので一緒に食事ができていい思い出になりました。結果オーライな感じでした。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
早くできるようになることに意味をあまり感じないので、それぞれのペースでゆっくりでいいと思いました。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
ママがイライラすればするほど空回りになるので、ある程度で諦めて笑って「ダメだこりゃ」と明るくしていく方がママにも子どもにもストレスにならないように思いました。悪気のない子どもがすることは、多少であれば周りに迷惑をかけてもそんなに罪悪感を感じなくていいと思います。

つい自分の子どもに「~して」「~しなさい」と言ってしまうこともあるでしょう。しかし、一呼吸してお互いがイライラしない方法をとってみてもいいのかもしれませんね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。