1歳頃から始まるイヤイヤ期は親にとって最初の難関ともいわれています。時と場所を選ばず起こってしまうイヤイヤの対応はとても大変ですよね。
今回はバスの中にもかかわらずイヤイヤタイムに突入してしまった娘さんとママのお話です。
(イラスト:23ca)
車内でイヤイヤタイムが発生
チカコ(仮名)さんが2歳の娘のナチ(仮名)ちゃんと2人で病院に向かうバスを利用していたときのことです。
ちょうどイヤイヤ期と重なっていたこともあり、バスに乗車して30分ほどすぎたころから、ナチちゃんがぐずり始めてしまいました。バスについている停車ボタンを押そうとしたり、バスから降りようとしたり…。
チカコさんは「立ったら危ないし、降りるところと関係ないところではボタンを押しちゃだめだよ」と注意しましたが、ナチちゃんは言うことをききません。あらかじめ用意していたおもちゃやスマホの動画を見せてみましたがイヤイヤはおさまらず。周りからの視線も気になり、チカコさんは困り果ててしまいました。
しばらくすると、50代くらいの女性が隣の席に座りました。ナチちゃんはその女性の鞄についているキーホルダーがとても気になってしまい、手を伸ばして掴んで遊び始めます。
チカコさんが慌てて「触ってしまってすみません!」と言うと「全然気にしないで大丈夫ですよー!むしろこれで遊ばせてあげてください」と優しい笑顔を見せてくれたのです。ナチちゃんはそのキーホルダーを触らせてもらったことに満足できたようでイヤイヤがおさまり、そこからは静かに座って目的地まで行くことができたのでした。
優しく見守ってくれたことに…
ー助けてもらったとき、女性に対してどう思いましたか?
キーホルダーを触られたことに対して「気にしないで大丈夫ですよ」というだけではなく、そのまま遊ばせてくださったことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。鞄につけているキーホルダーということはご本人も気に入っているはずなのに、笑顔で対応してくださりすごく優しくて素敵な方だなと思いました。最後の駅まで一緒に乗っていたので「とても助かりました。ありがとうございます!」と伝えました。
ー女性とはその後、何か会話をしましたか?
バスに乗っている間に娘の話や、その方にもお孫さんがいたので子どもの話をしていました。
ー子育てならではの大変さを教えてください。
家では気に入っている動画やおもちゃも出先ではなぜかあまり興味を示しません。車内で食べものを出すことも難しく、泣いたりイヤイヤしたりを止める方法が制限されてしまうことがとても大変です。周りの方も「気にしなくていいよ」「頑張れ」などいい方向に受け止めてくださる方ばかりではないのも現実です。冷たい視線を感じたり舌打ちをされたりすることもあるので「どうにかしないと!」という焦りで自分が泣きたくなることもあります。
怖がらずにお出かけを楽しもう
ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
子どもが泣いて困っている方を見かけたら、私も手助けしてあげたいなと思うようになりました。
ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
笑顔で話しかけてもらえたり、子どもと遊んでくれたりするととても嬉しいです。
ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
子どもが苦手な方や騒がれることが迷惑と感じる方もいますが、それ以上に子どもや親のことを温かく見てくれる方は多いです。同じ親であればなおさら「大変だよね、頑張れママ!」「わかるよ、その状況しんどいよね」と心のなかで共感してくれる方も多いと思うので、自分を追い込みすぎないようにしてほしいです。
子どもを連れているときは周囲にとても気を遣うという人は多いはず。子育て中の人もそうでない人も、お互いを尊重して、もっと子どもがのびのびとお出かけを楽しめるようにしていきたいですね。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。