小さな子どもと一緒に、公共交通機関を利用するのはドキドキしますよね。途中で泣き出さないか心配で、周りの目も気になってしまうという人は多いでしょう。
今回紹介するのは「0歳の赤ちゃんと飛行機に乗っている際にかけてもらった言葉」についてのエピソードです。
イラスト:23ca
飛行機内で泣き出してしまった赤ちゃん
サチコ(仮名)さんが、0歳の赤ちゃんと飛行機に乗っていたときのことです。
離陸して数時間は赤ちゃんもご飯を食べたり、おもちゃで遊んだりしていましたが、眠くなってぐずり始めてしまいました。授乳をしたり、いつも眠りにつくときのようにブランケットですりすりしたりしました。
しかし、それでも初めての飛行機でいつもと場所が違うためか、泣き止みません。
すると、隣にいたサチコさんと同じくらいの年齢の女性が「私も子どもがいるんです、大変よね」と嫌な顔することなく赤ちゃんをあやしてくれたり、話しかけたりしてくれました。そのうち赤ちゃんは泣き止み、眠りにつきました。
その後も機内で食事をし、赤ちゃんもサチコさんも楽しく過ごし無事に目的地に到着できました。女性は、降りるときにもサチコさんに声をかけ、赤ちゃんは人見知りすることもなく、その女性をじっと見つめて笑顔になりました。
サチコさんが「ご迷惑をおかけしました」と女性に伝えると、素敵な笑顔で「まったく迷惑ではないわ」と言った女性。「それが嘘だったとしても本当に心が救われました」とサチコさんは話しました。
救われた言葉
このときの出来事について、サチコさんに話を聞きました。
ー助けてもらったとき、女性に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
とても親切な方で、感謝しかありません。子どもが泣いていれば少なくとも不快に思う方はいると思いますが、その方は「私も子どもがいるから大変さがわかるわ、赤ちゃんは泣くものだもの、よく頑張ってるね」と優しい言葉をかけてくださいました。
そのうえ、子どもにも「いい子だね、よく頑張ったね、えらいえらい」などと話しかけてくれました。赤ちゃんが泣き止まなかったときは心臓もバクバクして、心の中で「すいません、すいません」と思いながらいたので、本当にその方には救われました。
ー女性とはその後何か会話をしましたか?その際、どのような会話をしたのか教えてください。
到着した後も「ご迷惑をおかけしました」と伝えると「全然大丈夫よ」と声をかけてくださり、救われました。私もそんな人間になりたいと思いました。
ーこのような経験と同様、子育てをしていて大変な時はどんな時ですか?
子どもがいると自分のペースで物事は進みません。自分の時間も昔ほどはありません。例えば、自分がお腹が空いていてもすぐに食べられるわけではありません。
子どもがオムツ換えが必要ならばそちらが優先、泣いたならそちらが優先、子どもがママと遊びたいならばそちらが優先です。
掃除をしたいと思っても自分のタイミングではなく、赤ちゃんのタイミングに合わせて家事を少しずつ終わらせていきます。私は赤ちゃんを膝にのせて食べることが多く、早食いになってしまいました。
もし子どもと一緒にいて困ったときには、優しく見守っていただけると助かります。
ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
私も人に支えられながら子育てをしています。ただ、普段は1人ですることは多く、社会から分離されてるような気持ちになり、寂しく感じることもあります。ですが、子どもと過ごす時間はかけがえのないものです。楽しみながら過ごしています。
子育ては思うようにいかないこともたくさんあります。1人ではどうにもならないときもあるでしょう。そんなときに周りの人の優しい言葉は救われますよね。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。