親子でのスキンシップは、子どもの健やかな成長には欠かせないものの一つ。とはいえ、日々の忙しさに子どもとのスキンシップが十分にできていないのではないか、と考える人は少なくない。
そこで、花王株式会社(以下、花王)が注目したのは「親子でのおふろスキンシップ」だ。親子のお風呂時間の大切さを知ってもらうべく、ふたりで押さないと出てこない非売品のシャンプーボトル『にこニコボトル』を開発。
にこニコボトルの利用を通して、花王は2023年11月23日(木)に1日限定で高円寺にある小杉湯とコラボレーションイベントを開催。
笑顔あふれる親子時間の創出を促す「#にこニコボトルプロジェクト」について、花王プロジェクト担当者の松田さんと簑部さんから詳しい話を聞いた。
親子のお風呂時間に注目したのは…
「お風呂ってスマホやテレビから離れて、家族と一対一で向き合える場所だと思っています」
そう話すのは松田さん。この度花王は、家族のコミュニケーション、笑顔の創出を目的として”親子のお風呂時間”に着目。
「共働き世帯が増えていることもあり、そもそも家事や育児で手一杯なので帰宅後お風呂掃除の時間が取れないといった意見も出ています。またシャワー派の方も増えていることもあり、のんびり親子で浸かる時間を大事にしていきたいと思っています」
また、海外を見ると、親子で入浴する習慣がある国は少ない。そのため、日本の”親子のお風呂時間”は大事な習慣ととらえたという。
このような理由から、親子のお風呂時間に注目した取り組みが始まった。
「にこニコボトル」のこだわり
「お風呂の中でコミュニケーションや笑顔を生むためには、一緒に行動をするアクションが起こすものが必要なのでは?」というところから生まれたにこニコボトル。最初は親子風呂で考えていたが、花王らしさを出すにあたり製品開発という方向となった。
そんなにこニコボトルにはさまざまなこだわりがある。
まずは、見た目から感じる柔らかさ、優しさである。花王のヘアケア製品である『メリット』のシャンプー容器と色味(水色、オレンジ)をあわせて優しいイメージに。形や質感もマットな質感でかわいらしいものにこだわった。
ターゲットは、自分で物を掴んだりでき、親子でお風呂に入る月齢(3歳~8歳頃)としていたため、取りやすいものを意識したという。にこニコボトルは、花王のデザイナーが作り、くびれ部分も赤ちゃんのむちむちした二の腕をイメージしているそうだ。
開発にあたり、困難だったこと
にこニコボトルの開発にあたっては、困難なこともあったという。
「ボトル自体についてはプロダクトデザイナーがいるので、形にするのは難しいことではなかった。イベントの運営までは普段なかなかやらなかったので、イベントを実施することのほうが難しいと感じました」と話す松田さん。
イベントをどのように行うのか、難しさがあったようだ。
イベントで集まった声
今回イベントを開催した小杉湯には、浴室にスタッフがいて子どもの入浴をサポートし、小さい子どもがいてもゆっくりお風呂につかれるという”パパママ銭湯”という仕組みがある。
この”パパママ銭湯”の仕組みが、親子のコミュニケーションを生むきっかけになるのではないかと考えた。そして、親子の笑顔をつくるという目的を達成できると考え、小杉湯がイベントの場所に選定された。
イベント後のアンケートで集まったのは次のような声が。
「親子でお風呂に入ることの大切さに改めて気づいた」
「お風呂に入る時間を増やしたい」
「共同作業楽しい」
それ以外にも
「自宅にもほしい!」
「発売してほしい」
などの声が届いた。
松田さんは「喜んでいる様子を目の当たりにできたこと、笑顔で使っているのを見れて嬉しかった。普段の業務では生活者のみなさまと交流する機会があまりなかったのでモチベーションにも繋がりました。子どもたちが楽しそうにしていたのがすごく嬉しかったです」と話す。
中にはボトルのイラストを描いてくれる女の子もいたとのこと。気に入ってくれてにこにこしている様子を見て、企画してよかったと感じたという。
社内からも反響が
イベントを通してたくさんの温かいコメントが寄せられたにこニコボトル。松田さんは、今後も引き続き開催を検討していきたいと話す。
また、簑部さんは「(笑顔あふれる親子時間を創出するためには)1回きりで終わったら花王としても意味がないと私たちも思っています。コツコツ続けていくことが大事だと思っているので続けていきたいです」と話した。
今後の親子が触れ合う時間を創出するための取り組み
今後の取り組みについて、松田さんは次のように話した。
「広げていくためには仕組みづくりが大事なので、そこから考えていきたい。今回は社内プロジェクトの1つの取り組みで通常業務では親子に注目するということはなかなかできなかったので、何かできるか今後検討していきたい」
また、簑部さんは「ビオレUVキッズなど子ども向けの商品もあるので、花王全体でブランドによって色んな切り口で親子にアプローチできると思っています。今回社会に目を向けて花王のブランドで世の中になにができるかというプロジェクトの一環として行ったのですが、考え方次第で様々な仕事ができますし、世の中の方々が支持してくださると、我々も色んなアイデア、アプローチを探せるのかなと思っています」と話していた。
花王はこのほかにも”こども目線プロジェクト”も行っている。こちらは 「一生懸命遊ぶ子どもたちと、いっしょに楽しみながらその遊びをよりすこやかなものにするアクションを何か起こせないか」という考えから始まったもの。
花王が企画する親子のコミュニケーションや笑顔を創出するプロジェクトについて、今後も期待していきたい。