子育てに関する情報は世の中にたくさんあふれています。両親や先輩ママ・パパからのアドバイスも様々で、我が子の育て方について、何が正解なのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
今回紹介するのは「義母との子育てに関する価値観の違い」についてのエピソードです。
イラスト:23ca
抱き癖を気にする義母
この秋に娘を出産したマナミ(仮名)さん。実家が遠方なので、当初は産後にマナミさんの旦那さんが育休をとり、退院したらすぐ自宅で育児をしようと計画していました。
しかし旦那さんの仕事の調整がつかず、マナミさんも緊急帝王切開で体がボロボロになり、県内にある義実家にしばらくお世話になることになりました。
しかし、娘が泣きやまなかったときに抱っこしてあやしていると、義母から「あまり抱くと抱き癖がつくから放っておいたらいい」と言われたそうです。
一度のみならず、マナミさんや旦那さんが娘をあやしているといつも「放っとけ」と言うようになりました。
マナミさんは戸惑いました。というのも、入院中はまったく逆の指導を受けたからです。
入院中、看護師さんに「泣いたら抱っこしてあやしてあげるといいですよ。そのほうが赤ちゃんが安心して信頼関係ができますよ」と指導されたそうです。
そのため義実家ではどう対応したらいいか悩んでしまったマナミさん。
疲れもあり、説明するのも大変に感じたため、しばらく義母の言う通りなるべく抱っこしないように過ごしていました。
夫の言葉で義母が…
あるとき娘が泣きだしたときにマナミさんの旦那さんがすぐ抱っこしてあやしはじめました。
そのときも義母が「いつも抱っこすると抱き癖がついて、しょっちゅう抱っこしなくちゃならなくなるから大変だよ」と注意したそうです。
するとマナミさんの旦那さんが「今は産院でもすぐ抱っこするように指導しているし、抱き癖にも科学的根拠がないから気にしないようにって言われてるから」と言ってくれました。
それから義母は抱き癖に関する最新動向について勉強するようになり、今では娘さんが泣くと「だんだん重くなると、ばあちゃんの肩には辛いのよ」と言いながらも、真っ先に抱っこしてくれるようになりました。
価値観の違いを乗り越える
このときの出来事についてマナミさんにお話しを聞きました。
ー「時代による価値感の違い」を乗りこえたとき、どう思いましたか?
夫が冷静でいてくれてありがたかったです。私が説明すべきでしたが、体力気力とも大幅に削れているときに、感情的にならずに説明できたかは微妙です。
夫が丁寧に説明してくれて助かったし、常日頃から子育て情報を共有しておいて正解でした。
ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
子どもができて、ますます日ごろの関係性づくりやコミュニケーションの重要性を感じました。
ー同じような境遇の方がいた場合、どのような声をかけたいですか?
産後すぐの母親は体力・気力的に限界なので「古いやり方でやれ!」など、ちょっとのことでも負担になると思います。
とくに義実家関係のことは、できるだけ旦那さんに間に入ってもらうと角が立たないし、すんなり通ることも多いと思います。
ー「時代による価値感の違い」について、あなたの意見を教えてください。
どの時代も根底には、子どもが少しでも健康に元気に育つようにという願いがあるのだと思います。
その手段が、技術の進歩などによって時がたつと変化するので、まったく違うことを言っているように思うものの、根本の思いはどの時代も変わらないのでは。
表面だけ見ると「古いやり方の押しつけ」に見えてしまっても、子どもを思う気持ちがあることは忘れてはならないと思うし、また将来私たちも「自分たちの(古い)やり方」にこだわりすぎることがないように自戒しようと思いました。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。