「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」という言葉をご存知でしょうか。HSPは、感受性が非常に強く、敏感な気質を持つ方のことを言います。先天的な気質、生まれつきの性質で、人口の5人に1人が当てはまると言われています。
あべめ_漫画でよむ5歳の育児術(@abeme.mo)さんは、2人のお子さんをもつお母さんです。育児のアイディアなどを、漫画にして公開しています。
今回公開されたのは「私と娘の話」と題したお話です。「繊細とチックのこと」をテーマに描かれています。こちらの漫画について、あべめさんに詳しいお話を聞きました。
10歳の頃に気付いたチック
あべめさんは、物心がついた頃から内気さが強く、人に気持ちを伝えることが苦手だったそうです。そんなあべめさんが自分のチックに気付いたのは、大きな小学校に転入した10歳の頃でした。
ーあべめさんのチックはまばたき、鼻うごかし、音声の3つの症状があったのでしょうか?また、これらの症状は同じ時期から始まったのでしょうか?
3つあり、別の時期に始まりました。恐らくそれぞれ何かのストレス緩和のために始まったものかと思います。
ーあべめさんが自身が繊細であると気づいた時、どう思われましたか?
酷い引っ込み思案というのは幼い頃から感じていましたが、繊細(HSP)と自覚したのは大人になってからだったので、自分のせいではなく気質なんだ、とホッとしたのを覚えています。
ーあべめさんは自身のチックの症状について、友人や親に相談はしましたか?
相談をしたことはありませんが、みんななんとなく気づいている感じでした。
ー現在も症状はありますか?
あります。
あべめさん自身が変化を感じたのは、社会人になってから。学生時代は集団行動が苦手だったあべめさんは、社会人になってから視線や人と比べることが減ったことで気持ちの負担も減ったようです。
ー乗り越えるまでに20年ほどかかったとありましたが、繊細さを乗り越えてからどのような気持ちの変化がありましたか?
繊細さを受け入れるまでは、かなり受け身な性格だったと思います。自分では出来ない、やりたくないから誰かに合わせようというイメージでした。 乗り越えてからは、自分をアピールできるようになりましたし、自分らしさを活かして行動できるようになったと思います。
あんちゃんのチック
人より感受性が強く敏感な子どものことを「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」と言います。あべめさんの長女のあんちゃんはHSCだそうです。
ーあんちゃんがHSCだなと気づいたのは何歳ごろだったのでしょうか?
もともと私同様かなりの引っ込み思案だったのですが、チックが始まった2歳頃から少し気にし始め、お話が増えてきた頃に音や匂いなどへの敏感さも際立つようになったので確信にかわりました。
ーきっかけがあり、本人が自覚することで繊細さは改善されるとありますが、あんちゃんには今後、どんなとき、どのように伝える予定でしょうか?
私の場合、繊細さをマイナスでしか受け止めていない時期がありました。それがもったいなかったと今は思っています。本当は素敵な部分なので。なのであんちゃんには繊細さや敏感さは、あなただけに感じられるもの。それは特別で素敵なことだよ、と日々伝えています。
もし今後、嫌だったり取り除きたいという願望がでた際は心療内科への通院など様々な選択ができるようにはしています。
ーSNSでのチック、繊細について発信しようと思ったきっかけはありますか?
HSPという言葉が一般化してきて、実は子どもがHSCやチック症状が出ている、という声をちらほら聞くようになり、自分の経験や知識が少しでも活かせればと思い発信しました。
幼い頃から理由がわからず悩む人が多いと思います。そんなお子さんのパパママに読んでもらい、少しでも理解していただけたら子育てもしやすくなるのではと思っています。
ー漫画での発信をしてから投稿にもコメントが寄せられていますが、どう思われましたか?
同じ悩みを持つ方に届いて嬉しかったです。 デリケートな内容ですので、コメントを残すことってかなり勇気がいるものだと思います。なので共感していただけたのかな、と思っています。
同じ悩みをもつ方にとっては、心強い内容だったと思います。また、これまで知らなかったという方にとっても、チックのことや考え方、向き合い方などを知る良い機会になったのではないでしょうか。