自分がまだ伝えていないことをカミングアウトすることは、とても勇気のいるものです。相手が大切な人だったらなおさらですよね。
あみ(@wig.amamoami)さんは、先天性乏毛症により高校生のときから15年間ウィッグを使用しています。あみさんは大切な友人にウィッグのことをカミングアウトする決意をしたそうです。友人にカミングアウトしたときのことをInstagramに投稿すると、「勇気をいただきました」「素敵です」「発信ありがとうございます」など、多くの反響が寄せられました。
友人へのカミングアウト
友人へのカミングアウトについて、あみさんに詳しいお話を伺いました。
カミングアウトを決意した友人は、2年前に共通の趣味で知り合い、今では趣味関係無く親友とのことです。カミングアウトするまでは人毛のウィッグで違和感ないように会っていたそうです。
ーカミングアウトをするときはどのようなお気持ちでしたか?
性格もとても素敵な子なので信じてはいましたが、受け入れてくれるかとても不安でした。でもこれからも長く付き合っていきたいからこそ伝えようと決心しました
あみさんが友人にカミングアウトすると「いろんなあみちゃんが見れるってこと?めっちゃ良いやん!」と肯定してくれたそうです。
ーカミングアウトしたとき、友人の言葉を聞いてどう思いましたか?
「やっぱりこの子大好きだ〜!」と思いました(笑)私はウィッグだからって気を遣って欲しくないし、今は髪が無いのは辛いことだとはまったく思っていないので、ポジティブにとらえてくれてとても嬉しかったです。
歯科衛生士から美容師へ
歯科衛生士をされていたあみさんは、今年から美容専門学校に通い始めました。
ー美容師を志そうと思ったきっかけを教えてください。
私は幼い頃から親と一緒に美容院に通わせてくれていたので、美容師さんや美容院が元々大好きでした。本当はずっと美容師になりたかったです。
でも自分の髪が無いと学校の実習ができなかったり難しいのかと思い、勇気が出ず諦めていました。
歯科衛生士として働き出してからも、「自分がやりたいことではない」「他に得意なことはあるのに」と思いながらずっとモヤモヤしていました。「本当は美容系に進みたい」と今までいろんな人に話していたのですが、たまたまお世話になった美容師さんが「何歳からでも遅くないよ!通いな!」って背中を押してくれました。おすすめの学校も教えてくださったので、すぐに行動できました。
ー旦那さんが美容師を目指すことについて後押ししてくれたのでしょうか?
夫はすべてのことを後押ししてくれています。Instagramを始めたのも、学校に通うことも。夫は向上心があり常に新しいことにチャレンジするタイプで、私は物凄く影響を受けています。
美容専門学校での生活
あみさんが美容専門学校に通い始めて約半年が経ちました。
ー実際に美容専門学校に入学し、学校生活はいかがですか?
学校めちゃくちゃ楽しいです!正直、歯科衛生士専門学校で学ぶことはまったく興味がなくて心の底から嫌でした(笑)でも今はすべてが楽しくて、何でも知りたくて先生に質問ばかりしています(笑)
クラスの子や先生に私がウィッグユーザーだと伝えてあるので、毎回気分でウィッグを変えて登校したりウィッグの話もオープンにできています。優しく受け入れてくれた学校の方々にとても感謝しています。
SNSでウィッグのアレンジ方法を発信
あみさんは、SNSでご自身のことやウィッグのヘアアレンジについて発信されています。
ーSNSでの発信を始めようと思ったきっかけを教えてください。
髪の悩みは誰にも相談してこなかったのですが、最初は愚痴を吐き出す場所が欲しくて2015年からアメブロをしていました。他のSNSで発信することはより多くの人が見てくれると思うので知り合いにバレたらどうしようって怖かったのですが、夫が「やってみたら?」と言ってくれたのでInstagramを始めてみました。
あみさんの投稿には同じようにウィッグで生活している方や、そうでない方からもヘアアレンジについてなどのコメントが多く来ています。
ー今後はどういった投稿をしていきたいですか?
「あみさんをみてウィッグを使い始めました!」「投稿を拝見してから、ポジティブになれた今の自分が大好きです」など温かいコメントやDMをたくさんいただいています。ウィッグは隠すものではなく、アクセサリー感覚で楽しみたいと思っているのでこれからもウィッグの魅力を発信していきます。
また、髪の悩みは1人で抱え込んでいる人が多いと思うので「自分の好き」も発信しつつみなさんのお役に立てる様な投稿もしていきたいです。
あみさんの発信でウィッグについての認識が変わった人も多くいるようです。また、悩みを抱える人が勇気をもつきっかけにもなっていました。
美容師を目指しているあみさん。美容師になったらさらに多くの人を笑顔にすることでしょう。