彫刻切り絵は、図案の異なる紙を何枚も重ねることで彫刻のような一枚のデザインが完成する新しい切り絵です。すべて紙でできているとは思えないような立体感と美しさに驚く人も多いでしょう。
彫刻切り絵アーティストの輿石孝志さんは、彫刻切り絵 輿石孝志(@cosmic0605)のアカウントで数々の作品を投稿されています。その作品の美しさは多くの人に驚きと感動を与えています。
多くの作品を生み出している輿石孝志さんにお話を伺いました。
ー輿石さんが作る彫刻切り絵は、大体何枚の紙でできているのですか?
最小だと5、6枚。最大でも120枚前後です。作品のサイズやデザインによって変わります。
頭の中で構成を組んで、イラレで描きだしています。
ー1つの作品を完成させるのに、どのくらいの時間かけて作っていますか?
100層越えの作品は最低でも3~4ヶ月はかかります。30層位の作品だと早ければ1ヶ月位で完成します。
ー彫刻切り絵を作るとき、デザインはどのように決めているのでしょうか?
教会やヨーロッパの建築物、古代紋様や神聖幾何学やイスラム幾何学、和柄などを自分なりに織り込みながら、数の調和を気にしながら制作しています。
ー彫刻切り絵のこだわっている部分などがあれば教えてください。
昔の人々が辿り着いたデザインや造形の意味を出来るだけ理解したうえで、自分なりに解釈をして表現できるかにこだわっています。また、作品を構造的に見る方々が面白いと共感してもらえるように、気難しくならないように作っています。
ー切り絵はいつから、何がきっかけで始めたのでしょうか?
以前は完全アウトドアでサーフィンをずっとやっていたのですが、東北の震災後、原発の影響で遠ざかり、仕事でも似た作業があったので何か出来ないか始めたらこうなっていました。
ー今までで一番お気に入りの作品などありますでしょうか?
100層越えの作品はどれもその時その時出来る限りを尽くしてきた作品です。
どの作品も紙だけでできているとは思えない立体感です。まるで木を彫った彫刻のようですね。
輿石孝志さんの作品は、個展や美術展、オフィシャルサイトなどで見ることができます。2023年10月27日(金)〜29日(日)には原宿デザインフェスタギャラリー102で個展を開催予定。
また、出版されている本には型紙、作り方が掲載されています。素敵な作品を自分でも作ってみたくなりますね。