「私には、自閉症の弟がいます」多くの葛藤もあった中、“きょうだい児”の私があえてポジティブな発信をした理由

「私には、自閉症の弟がいます」多くの葛藤もあった中、“きょうだい児”の私があえてポジティブな発信をした理由
ずっと【普通】に憧れてた(あんこさん提供)

「前向きになれるような記事を」

ー「きょうだい児にスポットを当てた情報発信をしたい。」とnoteにはありましたが、今後はどのような発信をしていく予定でしょうか?

建設的で前向きになれるような記事をたくさん更新していきたいと思っております。
もちろん、綺麗事では済まない、辛い思いも多く経験してきたつもりですので、自分自身の過去の経験や、辛かったことなどの負の感情を共有させて頂くこともあるかとは思います。

具体的には、「自分自身が小学1年生の時に子どもは産まないと決断したエピソード」や「きょうだい児であることが辛いと感じる瞬間」など、正直に書く予定です。

ですがそういった負の感情の記事を書いてばかりいると、自分の場合はどんどん暗い気持ちになっていって、悲観的になってしまうので、それはそれでもったいない気がするんです。

私自身も、10年程前は若さ故の不安定さや、母親を学生の時に亡くしたこと、弟のこと、自分の人生への絶望など様々なことが重なり、鬱病になってしまった時期もありましたが、無事克服することができました。

辛く耐え難い中にも、前向きな面や明るい事柄を見つけたら、スルーせずにピックアップして、ちょっぴり過大評価をしてあげる。楽観的になる必要はないですが、意識的にでもいいので、ポジティブな要素をたくさん見つけられるようになると、自分の感情もある程度コントロールができると私は考えています。

きっときょうだい児の方の中には、心に傷を負っている方は多くいると思うので、noteでは【私なりの元気の秘訣】も紹介したいなと思っております。(参考になるかはわからないですし、あくまでも個人的な見解とはなりますが…)

「きょうだい児だから不幸だ」と自分で認めるなんてなんだか悔しいです。自分自身の人生を肯定的に捉えるためにも、基本的には前向きな記事をこれからもたくさん書いていきたいです。

共感するコメントが多数

ーnoteのコメントにはあんこさんに共感する方からコメントが届いていましたが、コメントを見てどう思われましたか?

率直に、嬉しかったです。
実は私には、自分と同じ立場、すなわち“自身がきょうだい児である”という友人が1人もいません。正直、友人との会話の中で、健常者の兄弟姉妹のなにげない平和な話を聞くのが辛い瞬間もあります。自分の弟の話とは、あまりにもかけ離れているものなので……
もちろん、友人に非があるわけでは決してないのですが、他者の普通像を目の当たりにして、自分の普通とのギャップに、傷ついてしまう瞬間ですね…

「健常者の話はしないでほしい。配慮してほしい。」だなんて、私は絶対に言いたくないし、そんなの本心ではない。でも一方で、健常者の当たり前の話題に、傷つく自分。ただただ、やるせなくて。

そのため自然と、兄弟姉妹の話に繋がりうる、家族の話題になると、話題を逸らしてしまったり、会話から逃げてしまうことが私の場合は多くあります。
ですがnoteでコメントを頂いたことにより、初めて近い立場にいる、当事者同士でお話ができ、本当に嬉しかったです。

正直きょうだい児関連の記事は、障がいを持つ当事者の方や親御さんなどにとっては、あまり心地のよくない内容である可能性もあると思います。そのため、初めて記事を公開する時は厳しいご意見が来るかもしれない…と不安がありました。しかし、頂いたコメントはどれも優しい言葉ばかりで、救われました。
また、記事を見た私のSNSのフォロワーさんからも「自分も実はきょうだい児なんです」「共感しました」「これからも応援しています」などのあたたかいメッセージをくださった方も複数いました。

特に印象深かったことの一つが、「自閉症の弟がいて良かったこと」を読んでくださった方の中で、「きょうだい児という立場は確かに辛いものではあるけれど、ただ一方で、もし自分に障がいを持った家族がおらず、マイノリティの世界を知らないまま育った自分の人格は、果たして今より良いものなのか…疑問に感じる。そう思うと、自分の重たい背景や辛い経験も、無碍にはできない」という考え方に共感してくださる方が何名かいたことです。
これはきょうだい児視点では、前向きな考え方と私は捉えているので、こういったプラスの面を共有し合えたことが、純粋に嬉しいです。

頂いたコメントは、たとえ、顔を合わせないネット上の言葉のやり取りであったとしても、私にとってはとてもあたたかい宝物です。本当にありがとうございます。優しい気持ちに包まれたので、自身の活動をより一層頑張れそうです。

これからも、きょうだい児としての情報発信はもちろん、ほっこり心があたたまったり、思わずプッと笑ってしまうような、ちょっぴり元気になれるイラストをお届けできたらと思います。ぜひ、見守って頂けると嬉しいです。

あんこさんの思いや経験が多くの人たちに伝わったようです。今後もあんこさんの心があたたまるイラスト、きょうだい児としての発信が、多くの人へ力を与えてくれるでしょう。

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