きょうだい児にも支援制度を
ー“きょうだい児”について、SNSでは当事者の悩みなどが多く投稿されています。きょうだい児の悩み、問題についてどう思われますか?
悩みはつきないと思います。障がいを持っている当事者の方への支援制度はたくさんあると思いますが、同じように、その周りの人間であるきょうだい児(成人済も含む)を対象とした、何かしらの支援制度や相談機関がたくさんあればいいなと切実に思います。
例えば市役所や公民館等の公的機関に「きょうだい児支援」という名称で相談スペースを開放したり、簡単な案内を出す…とか。おそらく共通することが多いであろうきょうだい児の悩みといえば、
・障がいを持った兄弟姉妹の将来(仕事や生活、住居)
・金銭面の不安
・自分の仕事、結婚・育児との兼ね合い
・親の介護が始まった時の二重負担
・親の死後、兄弟の面倒をどう見ていけばよいのか
・お互いの老後はどうすればいいのか
など…
正直考えたくはない、辛く重たい悩みが多いです。
メンタルを壊してしまう可能性も十分ありますし、私自身、昔こういった不安を溜め込みすぎてしまい、心を壊してしまったこともあります。そういった状態の時は、支援機関を調べて連絡をしてやり取りをする…という行動すらできない場合もあると思います。
また、詳しく調べれば、きょうだい児視点の講演会や交流会が開かれていたり、学ぶ機会があったりもします。ただ、学びや交流をしている余裕すらない、差し迫ったSOSを心の内に秘めているきょうだい児もいるんです。
個別に、兄弟姉妹との将来のこと、グループホームの紹介、就労支援、障がいを持つ兄弟姉妹のことで日々悩んでいることを、障がい福祉のプロの方に「まずはサクッと安心して相談できる」という場が、手の届きやすい形で、これからたくさん増えていってくれたら助かるな…と私も一当事者として願っております。