「きょうだい児」を知っていますか?
きょうだい児とは、重い病気や障がいを抱える兄弟姉妹がいる子どものことです。
あんこさんは兼業イラストレーターとして、会社通いをしつつ、合間でイラスト活動を行っています。あんこさんには自閉症の弟がおり、きょうだい児としての経験や思いを、自身の「note」で発信しています。
あんこさんにnoteでの発信について話を伺いました。
ブログで発信しようと思ったきっかけは?
ー「自閉症の弟がいて良かったこと」というブログを書こうと思ったきっかけを教えてください。
大きく、2つのきっかけがありました。
兼業イラストレーターとして活動をスタートし2年程経ち、主にSNSを通して、少しずつ色々な方に認知して頂けるようになってきました。
一方で、私のイラストに興味を持ってくださる方やご依頼をくださる方々の立場で考えると、「あんこって何者…?」と、どこか自分という人物像をイメージしにくいのでは…とも思っていました。
現在私がイラストのご依頼を頂く際は、基本的には顔合わせのない、ネット上でのやりとりがメインとなっています。お客様の中には、見ず知らずの人間とのやり取りを不安に思い依頼を踏み止まってしまう方も多いかと思います。
中の人が謎に包まれている作家スタイルも正直憧れますし、とても素敵だと思うのですが、私の場合、少しは自分の正体を明かした方が、信頼や親近感を持って頂けたり、安心して依頼して頂けるかな、という気持ちが純粋にありました。
そのひとつの方法として、自分の人格構成に大きな影響を及ぼしていると思われる、“きょうだい児”としての経験をイラストを交えながら発信してみようと思い、ブログを始めました。
自分の内面の一部を公表することで、自分のイラスト活動により興味を持って頂けるきっかけの1つになるのならば、自分が抱えている辛い背景も少し報われるな…という気持ちも正直ありました。
「利用している」と言われてしまうかもしれませんが、辛い経験が自分のこれからの踏み台になるならば、どんどん活かして最終的にはプラスの要素と考えられるくらいに、私は強く生きたいです。
また、もう一つのきっかけは、より個人的なものでした。
イラストレーターの活動を始める前から、いつか何かしらの形で弟のことやきょうだい児としての何かを発信したいとは思っていましたが、なかなか機会が持てずにいました。重い過去を晒すこと、重い空気やイメージを自ら作ることにも抵抗がありました。
そんななかで、先日弟のことでなかなか難しい問題が起き、福祉機関と連絡を取り、面談へ出向いたり、父と話し合いをしたりなどをする日々が続きました。すべて、自分の仕事の合間や休日の時間を削ってのこととなり、真摯に向き合ってできる限りのことはやったつもりですが、心配事は尽きない状態で、正直参ってしまった自分がいました。
経験上、あまりにもストレスがかかると心を壊しかねないので、しんどい時は良い面を意識的に見つめたいと思っています。そこで、自分の気持ちを整理するためにもきょうだい児としての自分の思いや考えを書き記そうと思い、ブログを書き始めるに至りました。
兼業でイラスト活動をしていると、多忙を言い訳につい、新しい挑戦を後回しにしてしまいがちだからこそ、私は「やりたいという気持ち」を重要な原動力と捉えています。
「やりたいと思った時がやり時」が私のモットーなので、「きょうだい児のブログ書きたい!」と思ったと同時に、手を動かしていました。