『私たちの指先で応援させてください。 売り上げは全て寄付致します。 』この投稿をしたのは、ラーメンや和菓子、キャラクターなどをリアルに再現したミニチュア作品を作る、金沢美味しい作家@ミニチュアの世界(@minimini_japan)さん。(以下、金沢美味しい作家さん)
この活動は依頼があった飲食店や企業のメニューやキャラクターのミニチュア作品を作り、その売り上げの全額を2023年5月に起きた能登地方の地震に支援するというもの。ミニチュア作品は1つ1,000円で飲食店などに販売します。
金沢美味しい作家さんは、今回の地震で石川県への観光客が減ってしまうことを危惧しています。投稿には「石川県には多くの美しい街があります。粘り強く暖かい人々が繋いできた指先から生み出す伝統文化があります。ぜひ石川の魅力を体感しにきて欲しいです」とありました。
今回、金沢美味しい作家さんに話を聞きました。
企画を始めたきっかけ
ーこの企画を始めたきっかけを教えてください。
この企画を始めたきっかけは5月5日に石川県能登地方を震源とする地震でした。今回の地震についてテレビであまり報道されていなかったことに驚いたんです。大きな地震だったのにもかかわらず、なぜ取り上げられないのか…と。
また、能登地区の若者が少なくなっている現状にも寂しさを感じていました。そこで今こそ金沢を盛り上げたいと思ったんです。せっかくなら日本中で困った人たちを助け合えるようなイベントをしたいなと思い、この企画を考えました。
ー企画はいつからスタートしますか?
まずは6月中旬から土曜日限定で『ひまわりチェーン額(ぬか)店』で始めます。カプセルの中にミニチュア作品を入れてカプセルトイとしてお渡しします。カプセルトイは限定100個。なくなり次第終了です。100個つくるのに約1ヶ月もかかりました(笑)
夫婦が経営しているというひまわりチェーン額店ではお惣菜も販売しています。今回はそのお惣菜をミニチュア作品にしました。夫婦が大事に守ってきた味についてもカプセルトイの中にメッセージを添え、伝えていくようです。
ひまわりチェーンの次は金沢市八日市出町にあるごはん屋『竹の家』さんとコラボの予定です。そのために現在準備に取り掛かっているんだそう。
ーミニチュア作品は何名で作っているのですか?
2人の作家で制作しています。1つひとつを丁寧に仕上げ、妥協を許さない人を“指先さん”と呼んでいます。指先さんが作っている作品はSNSで多くの反響をいただきます。
また、温かな心で一緒に楽しめるようにと障がい者の“little power”と呼んでいる皆さんも参加して制作を行うようにもなりました。little powerの皆さんには作品のパッケージデザインや金具付けなどをお願いしております。お店の雰囲気に合わせて、パッケージもデザインしてくれているんです。
元々私たちの会社が障がいのある方を支援する事業を行っていたのですが、ミニチュア作品作りを始める前は障がい者ができる仕事というのは限られていました。そこで、障がい者の職業の幅を広げたい、夢がある仕事を提供したいと思いものづくりを始めたんです。
普段は飲食店や企業から依頼が来て、その売り上げの一部を障がい者のお給料として渡していたそうです。金沢美味しい作家さんは「将来ミニチュア作家が障がいのある方のお仕事として広めていきたい」と話していました。