ずっと見ていられる動画に出会ったことはありますか。今、話題になっているのはドーナツにピンクのチョコレートをかけたものの、上手くいかずドーナツの穴に落ちていってしまう…という動画。Twitterで10万以上のいいねがついています。チョコレートがまるで布のようにドーナツの上を滑って穴に落ちていく様子がなんだか心地よいと感じる動画です。
「ドーナツの穴の下で口開けて待ってたい」「これはずっと見てられる」「吸い込まれるようなホールインワン」などとコメントも盛り上がっています。
この動画を作成した、青木@蔵(@tahito)さんに話を聞きました。
青木@蔵さんは、普段は主にスマートフォン向けアプリのプログラミングを行っています。そしてアプリ内で使用する関係でCGの作成なども並行して行ってきたそうです。今回、青木@蔵さんはBlender(ブレンダー)という3DCGアニメーションを作成するための統合環境(※1)アプリケーションを利用して動画を作成しています。
(※1)アプリケーション構築のためのソフトウェア
ーなぜドーナツにチョコレートをかけようと思ったのでしょうか。
ドーナツを作るのが目的だったわけではなく、物理シミュレーションのテストを行っている段階で「これを使えばドーナツのチョコレートも簡単に表現できるかも」と思ってテストしてみた、という流れです。
ーこの動画を初めて見た時どう思いましたか?
「これは酷いな」と思いました。
ー今回、チョコレートが上手くかからなかったのは、なぜでしょうか。
試しに適当なパラメーター(※2)を入れてシミュレーションを行ったものですので、むしろ成功する要素の方が少なかったと思います。色々と調整を行えばうまくいくだろうとは思います。
(※2)変数のこと。コンピュータープログラム内で値が変化することの出来る数。
ーツイートには完成品のドーナツの画像がありましたが、それはどのように作ったのでしょうか。
いわゆる「普通にモデリング(※3)を行った」という状態です。垂れているチョコレートなども手作業でモデルを調整して表現しています。
(※3)3次元グラフィックスで立体物を形成すること
ーチョコレートがけの挑戦はまだ続きますか?
成果物を得るという点では、普通にモデリングした方が早そうなのでとりあえず終了です。
ただ「チョコレートをかけるアニメーション」などは面白そうですのでまた機会があれば作成してみたいとは思います。
ー今まで作った作品でお気に入りの物はありますか?
作品は守秘義務の関係であまりお見せできないのですが、個人的に作成した物としては「越冬のため南の島に戻るカラーコーンの群れ」が割と好きです。
ーツイート反響についてどう思いましたか。
むしろ何の反響も無いだろうと思っていたので「なぜ?」という感想しかありません。
ーこれから挑戦したい事、制作したい作品などはありますでしょうか。
自分から「これを作りたい」というものはあまりないのですが依頼を受けてからどうやって形にするかを考えるのが好きなので、いろいろな方とコラボなどして作品を作っていけたら楽しそうだなと思います。
青木@蔵さんにとっては失敗作でしたが、見る人によっては惹きつけられる動画でした。Blender(ブレンダー)は無料で使用できます。自分好みの動画を作ってみるのもいいですね。