2016年、千葉県松戸市馬橋にオープンした「はじめの一歩陶板浴」。オーナーの塚田亜希子さんは、自身の店をオープンして、毎日陶板浴をするようになってから、日に日に体調に変化を感じるようになったという。
陶板浴を開業するきっかけ
塚田さんはかつて慢性的な体調不良に悩まされており、20代から毎日頭痛薬を飲むほどだった。必要な家事をする以外は、寝ていることの方が多かったという。
「体調不良が当たり前で、体調が悪いのに慣れてしまっている感じでした」と塚田さん。そんな中、30代のときに友人に聞いて陶板浴のことを知る。
「最初に入ったときは、陶板浴で体が楽になったというより、たった30分なのにとても良く寝た感覚がありました。そのとき、普段あまり良く寝れていないのでは、と気づいたんです。睡眠の質があることも知りませんでしたから」
そして、体調が特に良くないときや時間があるとき、半年に1度くらいのペースで通うようになった。
「通う習慣は頻繁ではありませんでしたが、初めて陶板浴に行った日の夜、家を建てる前に陶板浴のことを知っていたら、自宅に1床くらい陶板浴を入れたかったなと思ったのはずっと忘れずに頭の片隅にありました」
今の店舗がある場所では、もともと塚田さんの父親が文房具店を営んでいた。ところが、8年前に父親が急逝。立地が良いため「(跡地で)何か始めてみては」と家族、親戚、ご近所さんなどから勧められたという。
「地元の馬橋でお子さんからお年寄りまで、年齢問わず皆さんが喜んで笑顔になれるものは何か、と考えたところ3秒でピンときたのが陶板浴でした」
建て替えをして、2年後にはオープンまでこぎつける。
毎日入るようになり体調の変化を実感
店をオープンしてから、陶板浴に毎日入るようになり、塚田さん自身も、日に日に体調の変化を感じていったそう。半年に一度行く程度では感じられなかった、体調が改善していく感覚を味わったという。
「自分が思っている元気レベルが、例えば頭痛がしないから元気という低いレベルからのスタートでした。もともと平熱は35℃代でしたが、36℃を超えるのが当たり前になってきたのは、3〜4か月経ったころからですね」
体質が変わってきて、味覚や臭覚も変わり食べ物の嗜好も変化したという。
さらに、変化したのは体調だけではないそう。
「体質や体調が変わると考え方や人との接し方も変わり、気持ちの余裕や優しさが生まれます。それに伴い、自分の周りの人たちも変わってくるのを実感しました。ただ温かくなって調子が良くなったという次元ではないものを、同じようにお客さんも感じてもらえたときは本当に嬉しいですね」
働く人たちが穏やかに仕事をしてもらえるように
塚田さんは、陶板浴以外にも、店が楽しい場所になればとの思いから、ワークショップを季節ごとに開催している。
「ワークショップは、3人くらいでワイワイやるチームもあれば、一人で来る方もいます。母の日にちなんだものや、最近はハロウィンの壁掛けを作成しました。手作りが初めての方が多く、やったことのない人が楽しみを見つけてもらえたらと思い開催しています」
今後は、「移動陶板浴を作りたい」と話す塚田さん。陶板浴の店舗まで来れない人のために、こちらから出向いて入ってもらえる環境を提供したいという。
「さらに病院や介護施設などの職員の方に温まってもらい、働く人たちが穏やかに仕事をしてもらえるような世界が作れたら嬉しい。福利厚生などで使っていただけたらいいですよね」