小学校の卒業アルバムに「将来は芸能人になりたい」と書き、その夢に邁進している猪 征大(いの ゆきひろ)さん。小中高と続けたバスケットボールでの経験を糧に日々努力を続けています。そんな猪さんに、俳優を目指したきっかけ、あふれる思いや目標、ターニングポイントについて聞きました。
バスケ時代に鍛えられ、いまの自分がある
「サッカーチームの見学が予定変更になって、仲良しの友だち3人でバスケの体験に行ったんですよ。丁寧に教えてくれてすごく面白くて、すぐ入団しました」
小学校3年生から高校3年生までバスケットボールに夢中だった猪さん。始めたきっかけは、なんと、サッカーチームの見学が予定変更になって偶然行ったバスケチームの見学。バスケチームに入団した猪さんは、小中ともにキャプテンを務め、高校はバスケの強豪校とされていた静岡県の浜松商業高校へ進学します。
ところが強豪校では、レギュラーになることも試合に出ることも難しく、もちろん練習は中学の時よりもはるかに厳しい。何度も辞めようと思い、その場から逃げたくなるほどハードなのに続けた理由は「ここで逃げたらダサい」と思ったからだそう。
高校時代に一緒に戦ったチームメイトとは「大人になった今でも毎日連絡を取り合ってます。いつ会っても、お互いどんな生き方をしていても、当時と変わらずいられる、かけがえのない存在」と、バスケを選び、踏ん張り続けたことで得られた財産だと話してくれました。
穏やかで優しい雰囲気ですが、内に秘めるパワーが力強い猪さん。バスケ時代に培った力で「人生は闘いだ」と常に自分と向き合い、厳しいオーディションに挑戦し続けています。
人生を大きく変えた出会い
俳優を本格的に目指すことになったきっかけは、高校3年生の秋に見たあるドラマとの出会い。「明日も頑張ろう」と元気をもらえたと話します。テレビの向こうの“会ったこともない人たち”に大きなパワーをもらえたことに衝撃を受け、自分も“どこかにいる誰か”に活力を与えられる人になりたいと思ったそう。
当時、同じ高校の生徒の進路はほぼ就職。夢はあれど俳優の道の目指し方が分からなかったといいます。その後専門学校へ進学しホテルマンを経験しますが、「なんのために上京したんだ、俳優になりたいんじゃないのか」という焦りと不安の日々。3年間、ホテルマンとして多くを学び、感謝の気持ちを持って退職しました。
当時の複雑な心境と、前に進もう!と自分を奮い立たせる熱い魂は、Instagram(#ノウナイイロケシキ)に自身のことばで綴られています。
俳優 猪 征大の夢と目標
その後、ドラマのエキストラからスタートした猪さんは、生活のためにアルバイトとエキストラを3年間続け、あるドラマのスタッフとして1か月半活動しました。スタッフとしての自分を応援してくれる人たちもいて元気をもらえた猪さん。協力し応援してくれた人への恩返しのためにも、俳優・猪 征大として本格的に活動を開始します。
しかし、俳優への道は険しく、生活のためのアルバイトは続けながら夢を追いかける日々。ドラマや映画、CMのオーディションにも落ち続け、「こんなはずではない」と焦る気持ちを抱えることも多かったそう。気持ちが後ろ向きになるときは、好きな音楽を聴いたり、応援してくれる人のメッセージを見たり、友だちと話したりすることでポジティブ思考に変えるそうです。
どんな壁にぶち当たっても「前に進むために、このできごとから学べることは何か?」と、建設的に考え諦めない猪さんの姿に、勇気づけられる人は多いでしょう。
「ドラマや映画などの作品に込められたメッセージを、俳優として届けたい、自分がドラマから元気をもらえたように、どこかの誰かに温かいものを伝えたい。これから出会うかもしれない人に温かいものが届いて、それが誰かにパスされ、少しずつ広がって…小さくてもいいから、心の中に温かい花が咲いてほしい」
取材を通し、猪さんの実直さとあたたかさを感じました。
夢は、日本アカデミー賞主演男優賞受賞と話す猪さん。これからも夢に向かって前に進んでいくでしょう。
そしてもう1つ…目標は、ラジオで声を届けること。「一緒に夢を叶えましょう」と癒し系低音ボイスを聴ける日が待ち遠しいです。
HONEST株式会社 所属
静岡県浜松市出身 / 1992.9.28生まれ。
映像作品を中心に活動中 。
ドラマ「ストロベリーナイトサーガ」情報屋の辰巳圭一役
ドラマ「絶対零度」真田雄大役
映画「to…誰かに届け」大内航役(主演)
ドラマ「HOTEL」西条陽太役