部品の陰影まで緻密に表現された基板。これ実は、刺繍の技法の一つ、クロスステッチで出来ているんです。
「素敵すぎる!」「スーパーマリオ動きそう!」などといまTwitterで話題になっているこの作品のモチーフは、ゲームボーイのソフト『スーパーマリオランド2』の基板。クロスステッチ作家のchikiko(@aozorachiki)さんが、約3週間かけて制作したそうです。chikikoさんに話を聞きました。
―刺繍との出会いは?
Twitterでたまたま見かけたクロスステッチ作品に惹かれて自分でもやってみたくなって始めました。
―モチーフを選ぶポイントはありますか?
基本的には自分がハマったものや好きなものをモチーフに作品を作っています。
―今回、モチーフに基板を選んだ理由は何でしょうか?
知り合いの新築祝いに、何かプレゼントしたいなと思ったのがキッカケでした。ご夫婦で光るアクセサリーを作っていらっしゃって、基板からすべて手作りされていたので、こういう作品だったら喜んでもらえるかなと思い作りました。
―今回のモチーフの苦労・工夫したところはありますか?
細かい部品の部分を忠実に再現したり、陰影もつけて刺繍することでより本物っぽく見えるように工夫しました。糸を選ぶ時は基板の写真と見比べてなるべく本物に近い色を探して刺繍しました。
―制作するときに気をつけていること・大切にしているポイントはありますか?
色選びは特に気をつけています。刺してみて周りと馴染んでいなかったり、少しでも違和感があれば、その色の糸すべて解いてやり直します。
大切にしているポイントですが、これでいいかと妥協せずに突き詰めてクオリティUPを目指すようにいつも心がけています。
―今までで一番大変だった作品、一番お気に入りの作品は何でしょうか?
1番大変だったのは、20×27cmの今までで1番大きな『ゼルダの伝説』の作品です。Twitterでたまたま見かけた海外の方のドット絵に惹かれて、DMで「あなたの作品が大好きでぜひ刺繍で作らせて欲しい」とお願いすると快く引き受けてくださったので、制作に取り掛かりました。
森の中のイラストだったので緑が多かったのですが、この色の緑が欲しいとなっても刺繍糸ではなかったりして、違和感なく周りと馴染む色を選んでいくのに大変苦労しました。ちなみに完成まで4か月かかりました。作るのは大変でしたが、今でも1番のお気に入り作品です。
―今後も大切にしていきたいこと、挑戦したいことはありますか?
大切にしていきたいことは、これからも長く楽しく刺繍できるように無理をしない事ですかね……。一時期コロナのストレスでうつになり刺繍ができない時期があったので。
今挑戦したいなと思っているのは、身近にあるものをどこまでリアルに刺繍で再現出来るのかやってみたいなと思っています。