岡山県北部にある奈義町。そこに旧幼稚園を改装した共同施設「奈義イーストLab(ラボ)」が誕生した。改装を手掛けたのは、民間主体のまちづくりを目指し地域課題解決・人口維持対策に取り組む一般社団法人名技(なぎ)ドットコム。代表理事の森淵竜二さんと、広報担当の長畑佑衣さんに、施設の特徴について尋ねた。
「思い入れのある園舎を残したい」代表自ら手掛けた新しい空間
かつて幼稚園だった建物の活用方法について地元地区が検討していると聞き、その幼稚園の卒園児である森淵さんは、地元のために貢献したいと思い、地区から依頼を受け活用することに。
本業で林業・建設業を営む森淵さんは、改装を自ら手掛けた。古民家の天井に張られていた梁を施設内の一角に再利用したり、岡山国体で使用された木材を廊下の床に使用したりするなど見た目もおもしろい。
『交流の場』を目的とした奈義イーストLabは、大広間と3つの部屋が用意されている。
町内外に関わらず、個人でも企業でも、どんな職種の方でも借りることができる施設となっており、起業したい人の事務所やサテライトオフィスとしても使用可能。
小規模のキッチンや、広い空間のトイレなど、子育て中の人に優しい設備も整っている。
イベントやマルシェでもっと身近な存在に
奈義イーストLabのファーストイベントとして、町民の方と一緒に施設を作り上げるというDIY教室が開催された。大広間の壁は、奈義町の子どもたちで色付けされた。
第2回目は壁に漆喰を塗るイベントを開催し、施設の完成を実現させた。その後、名技建築塾として収納付きの椅子作り教室などが開催された。
また7月には町内外の飲食店を始め、手作りアクセサリーや手作りベビー用品、ボディペイント等様々なジャンルの店舗を集めたナギラボマルシェが開催された。
町外からの来客も多くあり、駐車場が混雑するほどの賑わいを見せた。
「このマルシェは起業したいというママさんたちの応援も兼ねていたんです」と長畑さんは言う。自身も子育て中のワーキングママだからこそ発想できるアイデアである。
『子育ての町』を掲げる奈義町にはぴったりなイベントとなり、当日もいきいきと活動するママさんの出店者が多く見られた。
今後の目標は、「町民の方にも身近な施設として更に知ってもらい、もっと多くの人に奈義イーストLabを使ってもらいたい」という森淵さん。
起業を目指している人やちょっとしたイベント・ワークショップを開催したい人など、色々なことに活用できるサテライトオフィス。使用したい方は、明るく親しみやすい森淵さんに気軽に問い合わせてみてはいかがだろうか。