眠っていた空き家が交流の場に 地域のためのサードプレイス

眠っていた空き家が交流の場に 地域のためのサードプレイス
さまざまな活動を通して多世代が交流する場を提供する「メタセコイヤの家」

「メタセコイヤの家」は、幼稚園や保育所、学校や家庭、職場でもない、子どもも大人もホッと安心できる居場所を提供している団体です。2020年4月から活動を開始し、当初は町の施設を利用して、親子活動や保護者のための学びの講座を開催してきましたが、2020年10月、NPO法人として活動するようになり、活動拠点も香川県の三木町鹿伏(みきちょうししぶせ)にある今の場所へと移りました。

眠らせておくのはもったいない

現在活動拠点としている場所は、団体の支援者の祖父母がかつて住んでいた空き家です。「人が住まなくなって傷んでいく家を見るのは寂しい。地域の子どもや大人、みんなのために自由に使ってほしい」という思いで場所を提供。近くには駅やスーパー、学校もあって便利な一方、三木町のシンボルである白山(しらやま)が見える田園風景は、昔と変わらないのどかさを感じさせます。

そんな「メタセコイヤの家」のコンセプトは、大きく3つに分けられます。

2メタセコイヤ
2メタセコイヤ

フラッと立ち寄れる親子の居場所

まず、親子の遊び場・居場所の提供です。庭には遊具や砂場もあり、自由にのびのび活動できます。外で水風船や洗剤ボトルで水鉄砲をして、ビショビショ、ドロドロになりながら元気に走り回ることも。最近はあまり見かけなくなった光景ですが、どろんこになるまで遊ぶことも、子どもたちにとって大事な経験になるのかもしれません。

また、雨の日でも屋内で遊べて、絵本の読み聞かせもやっています。代表の谷本智子さんは、「子どもたちが自由に走り回って遊べる場が少ないですよね。家族でフラッと立ち寄って遊んでくれたらいいし、お茶だけして帰る場でもいいんです。存分に遊ぶ子どもたちを見ながら育児トークを弾ませ、先輩ママに気軽に相談できる、ママにとっても安心できる場所になってほしいです」と、笑顔で話します。

3メタセコイヤ
3メタセコイヤ

マイペースにしっかり学習

2つ目が、学習支援です。毎週土曜日の午後1時~3時まで寺子屋を開催しています。中学生が宿題やテキストを持ち寄って勉強します。そこでは、経験豊富なベテラン先生が5教科の指導に当たっているため、分からないところは時間をかけてゆっくり教えてもらえます。また、毎週水曜日の夕方と定期テスト前の休日は、自習教室としても開放。周りに仲間がいることで、勉強がはかどることもあるといいます。

4メタセコイヤ
4メタセコイヤ

多世代交流の拠点

そして、3つ目が、大人の居場所づくりです。健康体操やフラワーアレンジメント、料理講座など、多世代で交流できるイベントを企画しています。子どもや保護者だけでなく、若い人からお年寄りまで、地域の人たちが集まって、元気になれる、ホッとする時間を過ごせる場を目指しています。

1メタセコイヤ
1メタセコイヤ

「これからも子どもたち、ママ・パパを応援していきたい。今は週3~4日の活動ですが、ゆくゆくは毎日開放したいと思っています」
ここには、子どもたちの健やかな成長を願い、ママ・パパにそっと寄り添ってくれる、先輩ママさんがたくさんいると話す谷本さん。ぜひ、フラッと立ち寄ってみてはいかがですか。

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