瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台にした現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭2022が4月14日に開幕しました。親しみを込めて瀬戸芸とも呼ばれるこの祭典は、3年に一度開催されており、今回で5回目を迎えます。
今回は、瀬戸内の里海・里山の資源の発掘と発信、新たなエリアでの作品展開を通じて来場者の周遊の促進を図るなど、瀬戸内の地域の特色ある自然・歴史・文化に着目した新たな展開を予定しています。
島へ向かうフェリー乗り場となっている高松港では14日、フェリーを待つ観光客の姿が見られました。
瀬戸芸の舞台にもなっている直島。この島の居住者も開幕したことに期待を寄せています。
「生まれも直島で、現在は島でサービス業に携わっています。普段から島のアートは見ていますが、今回は新作を楽しみにしています。これまではあまり開幕するという実感はなかったのですが、数日前から瀬戸芸の横断幕などを見始めると、だんだんと実感がわいてきました」
また、国際色豊かなITスタートアップ企業で働く観光客は、会社の方向性を考える機会のために瀬戸芸を訪れたと言います。
「ITのスタートアップ企業で働いていて、会社の慰安旅行で来ました。四半期ごとにチームビルティングのために、色々な所に行っています。いつもは手前の作業に集中しているんですけど、一歩引いて、全体でどこに向かいたいのかを議論する時に空気(場所)を変えて仕事をしています。今回はトリエンナーレ(瀬戸芸)が気になっているメンバーがすごく多かったので来てみました」
「会社では都心だけでなく、離れた地方をつないでいろんな機会を生むようなことをしたいと思っているので、積極的に離れたところに行っています。どういった機会が日本のいろんなところに散らばっているのかを見たいな、勉強したいなと思っていて」
瀬戸芸に期待を寄せる理由や目的は様々です。
世界からも注目を浴びる瀬戸内海。作品を見ることができる舞台は直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春のみ)、本島(秋のみ)、高見島(秋のみ)、粟島(秋のみ)、伊吹島(秋のみ)、高松港周辺、宇野港周辺です。
新型コロナウイルスの影響で渡航や制作作業が制限を受けることとなった今回、中には開幕後も公開制作中の作品もあります。またオフィシャルツアーでは新作を中心に会場の島をガイド付きで周遊できたりと、見どころもいっぱいです。
春(4月14日-5月18日)、夏(8月5日-9月4日)、秋(9月29日-11月6日)の3つの会期で開催される予定です。