奇跡の「肩車猫」ショットを撮影! 猫の”内面”の魅力を探る猫写真家

奇跡の「肩車猫」ショットを撮影! 猫の”内面”の魅力を探る猫写真家
「手伝う。」(沖昌之さんより提供)

「手伝う。」という言葉と共にTwitterに投稿された、木の棒を支えにして猫の頭の上にもう1匹の猫が立ち、肩車をしているように見える写真に、3.9万件以上のいいねがつくなど話題になっています。「お、おい、重〜〜い」「東京見えるかニャー?」「そろそろ限界にゃんだけど」など、猫の気持ちを代弁するコメントで盛り上がっています。

この写真を撮影したのは、猫写真家として活動する沖昌之さんです。この写真は、熊本県にある「猫島」と呼ばれる島、湯島で撮ったものだそうです。沖さんに話を聞いてみると、今まで気づかなかった新たな猫の魅力を教えてくれました。

「手伝う。」の写真の猫たち

―この2匹の猫がこのポーズになるまで、どんな状況だったのですか
この2匹の猫がじゃれあっている時に、キジトラの方(写真上)が、ポールに飛びついたんですよ。それをシロキジ(写真下)方が下から茶々を入れようとしてこうなりました。その瞬間的な部分を切り取った写真です。「それっぽく見えるよね」ということでキャプション(「手伝う。」という言葉)を入れました。

―その後2匹はどうなりましたか。
キジトラが、(頭の上から)降りてきたと同時に、シロキジが捕まえようとして、後ろから飛びついていました。そこからキジトラが逃げて、じゃれ合いながらもまた、ポールの方に戻ってきて、いろんな所を追いかけっこしていました。

普段の猫を撮るために

最初、猫の写真を撮り始めた時はそろりそろりと猫に近づいて撮っていた、という沖さん。しかし、そっと近づいているのに逃げられる事がよくあったそうです。ある日、近所のおばあちゃんが自転車で猫の側まで近づいても、逃げない場面を見ました。

「猫にとってそれが日常で、そのおばあちゃんが近づいても問題がないんです。いくらそろそろと近づいても、警戒してやってくる僕みたいな人間の方が怪しすぎて近寄れないんだなと」

その出来事から、自分もその場所に普段からいるモノの一部であると猫に思ってもらえるように、時間をかけて何度も通うことにしているそうです。

カーリング…より提供)
カーリング…より提供)

猫の同士の関係が面白い

写真を撮り始めた当初は、猫はクールで我関せず、1日中寝ていると思っていたという、沖さん。写真を撮り続けてみて気づいたことがあるといいます。

「猫は、喜怒哀楽が顔に出たり、スタイル(日中の動き方)に出たり、しっぽに出たり、露骨に感情を出します。猫同士の関係が複雑で、この子は好きだけど、この子は嫌いというのがあります。自分から歩み寄って挨拶したいくらい好きとか、何百メートル離れていたとしても視界に入るだけで嫌とか好き嫌いの度合いもそれぞれです。(猫について)外面から入っていましたが、内面の方が猫の魅力だと思います。そういう部分も撮ることができたらいいなと思います」

2匹で何を…より提供)
2匹で何を…より提供)

日没まで猫を撮るために歩き回るという、沖さん。いい写真が撮れない日も多々あるそうです。猫が寝ているところを、気持ちよさそうだなと眺めているだけの時もあります。

「外猫も飼い猫もメスでもオスでも年を取っていても若くても、猫はそれぞれ考えながら一生懸命生きています。みんなかわいいです」

猫写真家に…より提供)
猫写真家に…より提供)

そんな沖さんが撮った猫たちの様子は、沖さんのSNS(Twitter、Instagram)で見ることができます。また、冒頭で紹介した写真も含まれた写真集『必死すぎるネコ  一心不乱篇』が2月2日に発売されています。

コミュニティーを形成して人間関係ならぬ猫関係を築いている猫達。猫コミュニティーが垣間見える、沖さんの写真にこれからも注目しています。

なかよし。…より提供)
なかよし。…より提供)

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