2022年1月、神奈川県相模原市にグルテンフリーのお好み焼きカフェ「こめくまカフェ」がオープンした。クマのモチーフにした店内やロゴが可愛いこちらのカフェでは、小麦を一切使わず米粉で作ったお好み焼きやスイーツが味わえる。
グルテンフリーのカフェを開こうと思った背景には、自身を突然襲ったアレルギーがあったという。こめくまカフェのオーナーである村田麻琴さんに話を聞いた。
突然発症した小麦アレルギー
以前から飲食の仕事をしたいと思っていた村田さんは、調理科の高校を卒業後、2018年に念願の飲食業界に就職した。
「パンを毎日食べていたいと思うくらい好きだったので、パン屋に就職しました。働き始めて1年くらいたったある日、パンを食べた後に痒みが突然現れたんです。全身に蕁麻疹もできてしまって……小麦アレルギーを発症してしまったんです。もう飲食では働けないかもしれないという現実にショックを受けました」
その後、村田さんは勤めていた店を辞め、接客業の仕事を始める。
「何年か接客業をしていたんですが、やっぱり昔からやりたかった飲食店で働きたいという思いが強くなりました。小麦を使っていない飲食店で働けないかと探していたんですが、なかなか選択肢もなくて。それなら自分で小麦不使用のお店を開こうと思ったんです」
子どもの頃に食べたおばあちゃんのお好み焼きを
ブルーを基調とした「こめくまカフェ」の店内には、特注の鉄板テーブルが並ぶ。
「母方のおばあちゃんが、鉄板焼き屋を営んでいたんです。子どもの頃は、おばあちゃんが作るお好み焼きが大好きでした。また鉄板テーブルでお好み焼きを食べたいという思いがあり、こめくまカフェのテーブルを鉄板テーブルにして米粉を使用したお好み焼きやもんじゃ焼きをメニューに取り入れました。実際に小麦アレルギーがあるお客さんから『もんじゃ焼きなんて10年以上ぶりに食べられた!』と言われて嬉しかったですね」
村田さんは米粉について学びながら、米粉パンマイスターの資格を取得した。
「海外のレシピも参考にしながら、お好み焼き以外にも米粉だけで作るケーキやパンを考えました。小麦に含まれるグルテンは、水を加えて練ることで弾力が出て成形しやすいのですが、米粉はグルテンがないので、サラサラしていて成形が難しいんです。試行錯誤しながら、小麦に負けないメニューが完成しました」
こめくまカフェのケーキや、SNS映えしそうなパフェ缶は、全て米粉で作られているとは思えないラインナップだ。
「小麦アレルギーがある人もない人も鉄板でお好み焼きを食べたり、一緒に流行りのおしゃれなスイーツが楽しめたらなって。こめくまカフェはそんな思いで作りました。今後も美味しい米粉料理やパンの種類を増やせるように精進していきたいですね」