プロバスケットボールB2・香川ファイブアローズのチーム最年少、上良(うえら)潤起選手。沖縄県出身で、大学在学中の2020年1月に特別指定選手として加入し、2020年6月に選手契約。キャリアとしては、現在3シーズン目を迎えています。
今シーズン(2021-22)はポイントガードとして出場。持ち味のディフェンス力を生かしてチームに貢献している上良選手に、これまでのバスケ人生、そしてプロとしての決意について尋ねました。
バスケ三昧の学生時代、そして香川へ
両親と兄2人がバスケットボールをやっていたため、自然とバスケットボールに親しむ機会が多かったという上良選手。保育園の頃から練習を見に行ってはバスケットボールで遊んでいたといいます。小中高とバスケットボール三昧の日々を送り、当時全国大会への出場もしていた九州産業大学に進学しました。
「他の強豪校からも声がかかっていたのですが、家族や高校の先生と話し合って決めました。バスケに対して父は非常に厳しいのですが『やるなら中途半端にやるんじゃない、ちゃんとバスケができる環境に行くべきだ』と叱咤激励されました」
大学卒業後は、実業団で働きながらバスケを続けるという道を想像していたといいます。ところが大学3年生の時、先輩がプロの道に進み試合で活躍する姿を見て、自分もその世界に挑戦してみたいという気持ちが芽生えました。
「昔からプロの試合はたくさん見てきたんですが、身近な人がプロの世界で活躍する姿を見て、見える画が変わったんです。そっちの世界で自分もやってみたいと思いました」
ちょうどそのころ、香川ファイブアローズから声がかかり、特別指定選手としてチームに合流しました。「プロの世界で通用するのか」という不安もありましたが、チームメイトの温かさに助けられたといいます。
「香川ファイブアローズの練習に参加した時、レベルの高さと、これまでの大学との違いを痛感しました。でも、チームメートがみんな優しくて、声をかけてくれるんです。僕はチームで最年少なのですが、みんながまるで兄のようなんです。徐々に不安が溶けていって、香川を選んでよかったと本当に思います」
チームに勢いを与えられるプレーを
上良選手の持ち味の1つに、ディフェンス力があります。大学時代はどちらかというと「点を取るプレーヤー」として名を馳せていたそうですが、プロの世界を経験するなかで、「プロとして、それだけではだめだ」と考えるようになりました。
「プロの世界は、日本人だけでないんです。外国人選手も大勢いて、体の強さや当たりも全然違います。だから、得点にこだわらず、チームに勢いを与えられるようなプレーをして、貢献しようと考えたんです」
プロの世界は結果が全て。やるべきことをやらないといけないと力強く語る上良選手ですが、「それでも自分が大好きなバスケットを一生懸命頑張って、楽しもうと思います」と笑顔を見せてくれました。
香川ファイブアローズの2021年最後の試合は29日で、アウェーでバンビシャス奈良と対戦。2022年の初陣は1月3日と4日、ホームで仙台89ERSとの対戦です。上良選手の若さ溢れるプレーにも注目です。