岡山県津山市に住む、小学6年生の和田留依君。将来の夢はパイロットという留依君は5年生の時、「第24回図書館を使った調べる学習コンクール」にチャレンジした。津山市出身で全日本空輸(以下、ANA)の初代社長を務めた美土路昌一氏について調べ、地域のコンクールで津山市市議会議長賞、全国コンクールで佳作を受賞。このことにANAも感銘を受け、1年後の2021年10月、感謝状が贈られた。
大人顔負けの行動力
「図書館を使った調べる学習コンクール」へチャレンジするきっかけは父親だった。2020年に津山市立図書館の館長をしていた人と交流があり、情報を得た父親が留依君へ提案した。
「気になる事はなんでもやりたい!」という留依君。チャレンジすることはもちろん、テーマもすぐに決まった。将来パイロットになりたいとの思いがあり、また、祖母から津山には飛行機にまつわる郷土の偉人でANAの初代社長「美土路昌一」という人物がいるという話を聞いていたこともあり、彼について調べることにした。
調べていくと、もっと細部にわたって知りたいと思うようになった。巷で手に入れられる資料では納得いかず、また図書館にある資料を使用するには著作権の問題があり、許可を得なければ使用できないという壁にぶつかった。
父親から「お客様相談室にメールで問い合わせをしてはどうか」とアドバイスを受け、自ら質問事項を考え連絡したところ、ANAより写真提供を受けるという大人顔負けの行動力を発揮したのだ。
両親の関わり方から見えてくるもの
留依君は、両親と祖父母の5人家族。母親は留依君が幼い時に、子ども達が想像を膨らませ工夫して遊びを作り出すことのできるような、プレイパークを作って遊ばせていた。そこでは、子どものやることを止めないで『子どものやる気を促す遊び』が行われており、やってみて失敗しても止めないで見守る。
そんな子育てを両親は今も大切にし、自由で自発的な行動が出来るよう、時には少しアシストを促しながら留依君を育てているそう。今回の数々の表彰に至る留依君の行動力の背景には、そんな両親の教育方針も大きく影響を与えたのではないだろうか。
留依君の今後の夢
ANAの飛行機に乗る機会が多く、親しみを持っていた留依君。感謝状や飛行機の模型をもらい、ますますANAのパイロットになる夢が強くなったという。
留依君が普段使っている筆箱には、片方に美土路氏直筆の建社の精神が書かれた印刷物と、その反対側には現在目標としているANAの元パイロットでJAXA宇宙飛行士となった大西卓也さんの写真が貼られていた。将来の夢を叶える為に現在、猛勉強しているそうだ。
「美土路さんのような大きな夢と強い意志をもつことが、この大変な時代を乗り越えるために大切だと思う。僕もパイロットになって、一人でも多くの人に夢と希望と与える人になります」と話してくれた留依君。ぜひ、夢を叶えて欲しい。