香川県高松市に、毎朝登校する小学生を楽しそうに見守る登校犬がいます。その名は福(フク)。「フクフク」「フクちゃーん」と声をかけられ、お座りしたり、時には立ったりしながら、子どもたちに撫でられています。最後の班が終わると、飼い主の髙木さんと登校班の最後を歩いていきます。自分の家の近くまで来たら、子どもを見送って自分の家に帰っていきました。
フクちゃんは、今から2年前、さぬき動物愛護センターしっぽの森から髙木家にきました。正確な誕生日は分かりませんが、当時の体の大きさから今で満2歳だそうです。そんなフクちゃんの見守りの様子について、飼い主の髙木さんに話を聞きました。
―いつ頃から見守るようになったのですか。
家にきて、半年で慣れてきた様子だったので散歩を始めました。その時から小学生の登校時間と重なっていたので、自然と登校を見守るようになりました。家の前は、登校班の集合場所になっているので、いくつかの班を見送って、最後に50メートルくらい進み、最後の班を見送って自分の家に帰っています。登校を見守って1年半くらいになりますね。
―見守っている時のフクちゃんの様子はどうですか。
子どもが好きなので、子どもを見るとしっぽをふって寄っていきます。私の孫が4人とも女の子のせいか、女の子は特に好きです。よくついていっています。遊んでくれると思っているのかもしれないですね。
―子どもたちの反応はどうですか。
「フクー」「フクちゃーん」と声をかけてくれます。
ひとり、なかなか学校に行く時に前にすすめない子がいるんです。その子がフクに「フク、僕の後ろについてきて」と言うと、フクは黙ってついていくんです。フクと一緒になら学校に行けるんですね。その子は、登校する時にフクがいたら元気になります。逆に、フクがいないと「さみしいな」と落ち込んでいますよ。月曜日なんかは、特に気分が沈んでいるから、子どもたちはフクをみて元気になっているように思います。
―髙木さんにとって、フクちゃんはどういった存在ですか。
保護者も子どもたちもフクがいると、フクちゃんを散歩している高木のおじちゃんと思って声をかけられる。保護者も安心して見てくれています。自分としては、番犬として飼い始めたのですけどね。
少し恥ずかしそうにそう話す髙木さん、9月1日の新学期初日、登校犬は少しお寝坊でした。会えなかった子の中には「フクはおらんの」と聞く子も。最後の班に、ぎりぎり間に合ったフクちゃん。久しぶりの登校の様子をみて、うれしそうな様子でこどもたちに駆け寄っていました。