日本でも珍しい、標高約300mの屋島山上にある新屋島水族館(香川県高松市)。ここでプロバスケットボールB2・香川ファイブアローズの谷口光貴選手が、8月22日に「1日館長」を務めました。自他ともに認める大のアクアリウム好きという、谷口選手の1日館長に密着しました。
水族館の1日館長で、多くのファンと交流
谷口選手は新屋島水族館のキャラクターのマナやんとSNS上で交流しており、何気ない気持ちで「1日館長をさせて」とコメントしたことが、きっかけの1つとなりました。
「冗談半分でつぶやいていたのですが、まさか本当になるとは思わなかったです」
エサやりのアシスタントでは、カワウソやウミガメ、ペンギンといった愛らしい動物たちにエサをあげる客に声をかけたり、手に消毒液を噴霧したりと、常に笑顔で“勤務”。身長が187センチある谷口選手の姿は遠くからも良く見えて、プロバスケットボール選手としての存在感が際立っていました。
また、ファンと写真撮影や、SNS企画で当選したファンとオンラインデートも実施。アバターインという遠隔操作ロボットを使いながら、水槽で泳ぐ水生生物の説明を行いました。
さらに、新屋島水族館の見どころの1つ・イルカライブにも特別出演しました。リハーサルもなく簡単な打ち合わせのみで臨んだ谷口選手。主要登場人物の「世直し侍」と絶妙なコラボレーションを見せ、訪れた客を大いに盛り上げました。
谷口選手制作・監修の、こだわり水槽をお披露目
「1日館長」の日に向けて、谷口選手が新屋島水族館のスタッフと共に準備してきた、新しい水槽もお披露目されました。水槽は谷口選手が制作・監修。大木にみたてた木やゆらめく水草の間をぬって、10種類の小さな魚が気持ちよさそうに泳いでいます。
「水槽の設置場所は、木が生い茂るジャングル水槽のすぐ隣。そこからイメージを膨らませて、この水槽を見てくれる人の想像力をかきたてられたらいいな、と思いながら作りました」
谷口選手も水槽を自宅に持っており、香川県に引っ越してくる前は4つの水槽を「回す」ほどのアクアリウム好き。水辺の生き物を表現する、アクアリウムの奥深い世界に、“美術的な楽しさ”を感じるといいます。質問に対して熱心に答える姿は、バスケットボールの試合で見せる顔とは違った一面でした。
「きょうは、僕が好きな水槽のことを知ってもらえて、本当によかったです」
谷口選手の笑顔には、アクアリウムへの愛が満ちていました。
バスケット以外も大切にするのが「プロ」
「僕は香川ファイブアローズのメンバーとしてバスケットをしていますが、バスケット以外の活動も大切な仕事。それがプロの姿勢だと思います。地域のためになるような活動を行い、よい潤滑油としての存在でありたい。そして『地域にこんなチームがあってよかったな』と思ってもらえるようになりたいです」
1日館長を終え、谷口さんは「楽しかったです!」と満足気。ファンとの交流を通じ、10月から開幕する新シーズンに向けて、よい充電となったようです。水族館からアリーナへと舞台を戻した谷口さんと、香川ファイブアローズのメンバーに会える新シーズン初戦は10月2日、観音寺市立総合体育館で行われる予定です。