2021年6月17日午後1時ごろ、高松市の上空に逆さの虹が出現しました。
高松市立新番丁小学校の児童が昼休みを終え5時間目の授業の準備をしている時、一人の児童の「虹がでてる!」の声で6年生の児童数名がベランダに飛び出しました。5時間目の授業を担当する加茂衣里先生が教室に来た時には、教室は虹の話題で大盛り上がり。
「先生、虹がでてるよ!見てみて」という言葉に誘われ、ベランダに出ると、そこには逆さの虹が2つ出現していました。
「一人の児童が『この風景を写真に撮りたいな』って言ったんです。もう授業は始まる寸前だったのですが、子どもたちのやりたいという気持ちを大切にしたかったんです」
英語の教科担当だった加茂先生は、急きょ担任の和田光子先生に確認。和田先生も、子どもたちの気持ちを尊重し、英語の授業をする前に写真撮影の時間を許可しました。
2021年4月より、全学年でタブレット学習を本格的に取り入れた新番丁小学校では、児童一人ひとりが自由に使えるタブレットがあります。
「密にならないように順番にベランダにだして、各々のタブレットで写真を撮りました」
「雨上がりで空が暗かったんですけど、急に明るくなってベランダを見たら、ダブルレインボーが見えて、みんなに知らせたくなりました。みんな写真を撮っていました」
「前に見たことはあったんですけど、前に見たのは、ぼんやりしていた。今回見たのは、はっきり見えていて写真に残せて良かったです」
「虹って、分度器みたいな形なのに、今回は分度器を反対にしたみたいな形で。すごく珍しいものを見れてうれしかったです」
「前の日に実は虹を見てました。でも、ダブルレインボーは初めて。2日連続で虹を見れたのもうれしかった」
「最初は逆さの虹が見えたんですけど、友達がもう一つ虹があるって教えてくれて。見たらもう一つあって、びっくり。写真も撮れてうれしかった」
「太陽の周りを囲んでいてミステリーサークルみたいだった」
このように撮影した児童もうれしそうに話します。
「自分たち大人も、写真を撮りたいって気持ちになるじゃないですか。その気持ちを大切にしたかったですね。子どもたちには美しい自然現象に触れてほしいですが、そういう現象に触れる機会はあるようで、なかなか少ないのかなと思います。写真が撮れたのも、すぐそばにタブレットがある環境だったことが大きかったと思います。」と話します。
いつの時代も美しいものや珍しいものは、人の心に残ります。
それを「見たい」だけでなく「残したい」という好奇心が子どもたちの中に育っている環境がそこにはありました。