ウイイレ2020世界大会の優勝者が語る、試合に勝つために大事なこと

ウイイレ2020世界大会の優勝者が語る、試合に勝つために大事なこと
真剣な眼差しでゲームをする大西将統さん

―おすすめのフォーメーションって?

本当のサッカーは、4-3-3でサイドとかを使うと、ボールの支配率も高められると思うけど、ゲームなので限られた時間の中で、何本入る確率が高いシュートを打てるかが大事。結局、真ん中に選手を固めてしまって、シュートが打てる位置に選手を持ってくる真ん中型になるかな。あと、クロスからヘディングシュートがあまり入らないから、ウィングを使ったフォーメーションをしないとか。そういうのを考えてやっているかな。

あと、現実的にはCB(センターバック)2枚、SB(サイドバック)2枚の4バックかと思うけど、実は一番強いと言われているのが4CBというもので、この選手は上がらないんだよね。そうなったら守備をしやすい。攻撃は少人数で完結できるから、(ディフェンダーは)上げない。こういうのを現実のサッカーですると意味不明だけど、ゲームでは強い。
DFラインの高さやコンパクトさなど、1から10までを選択出来る戦術項目も、これを試したらどうなる、というのをひたすら見ている。10か9で迷うみたいな、どうでもいいけど、やっぱ8かなみたいな。こういう研究の時間を、強い友達と談笑しながらワイワイやっている。

慣れた手つ…戦術を変更
慣れた手つ…戦術を変更

―守備がうまいですよね

攻撃よりは守備(が大事)と思っている。でも守備といってもガチガチに守るのではなく、前から取りに行く守備をしている。相手が出したいであろうパスコースを自分の操作している選手で切って、AIにボールを取りに行かせる。そうすると相手は出したいところが切られているのにもう一人が取りに来ているので、何かしないといけないと思って慌てて、どうしたらいいか分からなくなる。そうなると勝てる。相手に苦手意識を植え付けて、このパスも読まれていると思わせるとこちらの勝ちというか。ボールを持っている選手が背中を向けていると取れないけど、前から行くと結構とれる。なので、行かす選手がなるべく相手の前から行けるように考えている。

―鳥かご(※)の対策はあるのですか?

対策としては、マーク設定で、自分のFWを相手のDFに全部つけると、絶対そこを追う。ゴールキーパーはマークを付けられないけど取りやすくなる。一応、これが対策と言われている。大会でも本当に鳥かごをするしね。世界大会でも普通にする。スポーツマンシップがどうこうというので日本では遠慮しているけど、世界ではゴリゴリする。日本で鳥かごをすると(いろいろ)言われるけど、今はもうやっていいんじゃないか、というのを皆で話している。やっぱり勝つのが大事だから。

※鳥かごとは、相手にボールを取られないように主にディフェンダー付近でパスを回し、攻撃せずに時間を消費させること

―ウイイレが強くなりたい人へのメッセージをお願いします。

(主体的に情報を集めるために)ゲームコミュニティに入っていってその人たちしか知らない情報とか、その人間関係だからできる練習にまで持っていければ、得られるものがあるし、勝ちにもつながる。結局、何を知っていて何を知らないかで勝敗が決まることが多いから。

―今後はeスポーツにどのように関わっていくのでしょうか?

仕事しながら、というのは厳しいと思うから、ガチでやる所からは一歩引こうかなと思っている。でも、ゲームはやるのも見るのも好きだから、今までお世話になったeスポーツという産業が育っていく中で、何かしら援助ができたら、というのはあります。eスポーツは見る人がいないと成立しないものだから、いち視聴者やいちスポンサーとしてやっていけたらなと。

イベントに…的に参加
イベントに…的に参加

大西さんのウイイレの強さは、誰にでも実践可能な飽くなき探求心を持つことと、地道な研究の賜物だったのです。今後第一線からは退くつもりだと言いますが、研修医として働きながらも、eスポーツ業界は応援し続けたいと考えています。

この記事の写真一覧はこちら