ウイイレ2020世界大会の優勝者が語る、試合に勝つために大事なこと

ウイイレ2020世界大会の優勝者が語る、試合に勝つために大事なこと
真剣な眼差しでゲームをする大西将統さん

2020年8月、『eFootballウイニングイレブン2020』の公式大会「eFootball.Open World Finals」で優勝した大西将統(おおにしまさと)さん。ゲーム上では「あると」として活躍し、現在は香川県高松市の病院で研修医として勤務する大西さんに、世界の頂点に立った経緯と試合に勝つために大事なことを聞きました。

研修医とし…身をまとう
研修医とし…身をまとう

世界大会で1位を獲得するまで

大西さんが世界チャンピオンになった時は現役の医学部6年生。ウイニングイレブン(以下ウイイレ)に真剣に取り組み始めたのは大学生になってからというので驚きです。大学進学を機に小学2年生からプレーしていた実際のサッカーを離れました。その際、日常でサッカーをプレーできない分、どこかでサッカーに触れていたいという気持ちからウイイレにのめりこんだと言います。そこからめきめきと頭角を現し、大学3年生の春に出場した全国大会ではベスト8。「意外といけるな」という確かな感触を得ました。それからというもの、大学の授業を終えて帰宅するとウイイレ三昧の日々。

「毎日7、8時間ぶっ通しでやってましたね。少なくとも、2、3時間はしていました」

全国大会以降、日々血のにじむような練習をこなします。さらに、大学5年生の夏にはCYCLOPS athlete gamingのウイイレ部門に加入。プロのeスポーツチームの一員となり、一層腕に磨きをかけました。その後、国家試験に向けて勉強に専念すべく、大学6年生になる前にチームを脱退。一度ウイイレからも離れましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会のオンライン開催が主流となり、移動の手間が省かれたことでeFootballウイニングイレブン2020の公式大会「eFootball.Open World Finals」に参加。日本予選、アジア大会を勝ち進み、見事世界チャンピオンに輝きました。

では、具体的にどのような努力を重ねてきたのか。強さの真髄に迫ります。

ウイニング…西将統さん
ウイニング…西将統さん

勝つための考え方と研究

―どうやったらウイイレが強くなるのですか?

勉強とかと一緒で、パターン認識する。以前、このシーンでこう動くとこうなったから今回もそれをしてみようとか、今回は変えてみようというので、自分なりにパターン認識して(プレーを)選択していきます。結局は何回もやって、それを覚えていったら勝てるようになる。継続して、集中して、考えながらやったら伸びる。上達する期間も短くなる。勝てないと楽しくないので、勝てるにはどうしたらいいか、というのをうまい人の動画を見ながら勉強する。実際に(勉強したことを)やってみて勝ったら気持ちいいな、というのがあるので。

漂う王者の風格
漂う王者の風格

―どのようなトレーニングをしていたのですか?

全国大会のような大きな大会に出たら、全国大会に出るような強い人と仲間になる。その後の練習相手はその人たちになる。うまい人とやっていたらあらゆることを吸収できるし、それまでと異なる考え方もできるようになり、練習の密度も濃くなる。特別なトレーニングはやっていないですが、うまい人とゲームをすることかな。繋がりを作るということが大事かと。

―フリーキック練習など、ゲーム内に備わっている練習をしたりするのですか?

友だちと(します)。どれが入るのか?(ゴールできるのか?)というのをずっと研究する。この入力で動かしてここに蹴ったら入るかな、ディフェンス側はそこに立ったらどうなる?というのをやって、「あ、それは止められるんだ」みたいな。新しいウイイレって毎作変わるから、出始めっていうのは、限られた人しか知らない技っていうのがある。出始めの時は最強の技でも、時間が経過すると防ぐ方法が分かる技もある。皆がその技を知り始めると差がつかなくなるので、もっと別のところで頑張ろうと。そういう技を探し続けていて、裏技ではないけど、そういうのがあった方が楽しいし、技を知らない人に勝てるし。

―他の人がやっていない技や練習方法はありますか?

いや、特別なことはやっていないかな。ただ、他のゲームはやってた。いろいろなゲームをやっていると見えることがあるし、分かってくる。視野が広がるし、考え方の幅が広がる。強いて言えば、皆よりは(学校や試験の)勉強してたかな(笑)。このゲームって平面だけど、立体で考えなければならない。そういうのって数学に近いものがあると思うし、勉強に生きるところがあるかもしれない。

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