鶏卵産業用の機械を製造する共和機械は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、独自の技術開発を続けています。その秘訣を、代表取締役社長の友末琢磨さんに聞きました。
創業のきっかけは?
当時14歳だった父が、家業を手伝うために卵の洗浄器を発案しました。大手新聞社が主催する「学生児童発明工夫展」に出展したところ、総理大臣賞を受賞し、全国の養鶏農家から問い合わせを受けるようになりました。
この反響を受け、技術研究が得意だった祖父が、日本で最初の自動洗卵機を開発し、会社を立ち上げました。
技術革新の秘訣は?
会社の立ち上げが、国内の養鶏経営の多くが規模を拡大した時期と重なり、追い風となりました。卵をきれいにするだけでなく、大きさによる選別を自動で行う装置、高い精度でひび割れや中身を検査する装置など、時代に合う技術開発を続けました。導入後の点検や顧客からの問い合わせ、相談に応じる体制を整えました。会社が続いているのは、顧客からの要望に応え続けてきたからだと思います。
技術を打ち出し海外へ
日本は、卵の消費量が世界第2位で、生卵を食べるという独自の文化があります。このため、海外の国々とは違う視点で技術開発を求められてきました。このような環境で培った技術を打ち出し、海外21か国に進出しています。
卵への思いから生まれる目標とは?
卵は、食物繊維とビタミンCを除いたすべての栄養素を含む、完全栄養食品といわれます。卵の素晴らしさを学ばなければという思いから、日本卵業協会が主催する卵のソムリエ検定(タマリエ)の取得を社員に勧めています。卵への知識を深めることで、生産者の要望に寄り添い続ける会社を目指しています。津山の地で創業した会社の技術が世界に羽ばたけるように、これからも挑戦を続けていきます。