本番当日、女の子はメイクに興味津々
本番当日、着付けの様子を見に行くと本当に「為せば成る!」で綺麗に着付けられていました。
お母さんたち、素晴らしいです!
着付けも無事終えて、メイクをして貰う女の子たち。舞の心配よりも、メイクに興味津々。キラキラした目でメイクの様子をのぞき込んでいます。
一生に一度の“舞”が始まる
本番直前、5人とも、少し緊張してキリッとした表情。
音楽が始まると、頭に飾られた花かんざしがシャランとゆれて、舞が始まりました。一瞬で本堂が神聖な空気に変わり、そこにはもう女の子ではなく、5人の巫女が舞っていました。最初は神様に、2回目は観客に向けて、粛々と舞は奉納されました。
豊栄の舞は別名“乙女の舞”。
女の子から乙女へ。思春期に入っていく娘たちを、神様も祝福してくださっている様な、ちょっと涙が出そうな気持ちになりました。
本番はどうだったか聞いてみると「めっちゃ緊張した!」「2番間違えた。」「衝突事故あった!」次々と出てくるけれど「やりきった!」とみんな満足そうでした。
お祝儀にもらったお年玉に大喜び。さっきまで凛とした乙女だったのに、また無邪気な女の子に戻った瞬間でした。
母から娘へ 繋がる伝統
2021年に“豊栄の舞”を舞った5人のうちのひとり、畑結來(はたゆいら)さん。母・仁美さんも25年前に舞を奉納していました。
「親子2代で同じ場所で舞を舞う事が出来るとは思わなかったです。それが嬉しいです。続いていくってすごい事ですよね。まあ、自分の時の事は全然覚えていないのですけど。」と仁美さんは笑って話してくれました。
「一生に一度の巫女舞なので、見ることが出来て良かった。可愛かった。もう少しで中学生になるから、娘になって行くんだなあと。」父・亮輔さんは娘の成長を思い、感慨深げでした。
2021年、本堂の歴代の写真の中に、結來さんも仲間入りしました。十数年後、もしかしたら結來さんの娘がここで“豊栄の舞”を舞う。なんてことが、あるのかもしれません。