「クループ症候群」という言葉を知っていますか?
ある日、ちーの(@haha_ninaru)さんの息子さんは、いびきをかいて寝ていました。しかし「何かおかしい…」と不安になり、夜間救急に連れていくと「クループ症候群」と診断されたのです。
そこで「クループ症候群」について、ちーのさんに話を聞きました。
クループ症候群とは
ちーのさんの1歳の息子さんは、昼間はいつもと変わらず元気な様子で風邪のような症状もありませんでした。寝ついたときにいびきをかいていたのですが、最初は「ただのいびきだと思った…」といいます。
しかし、しばらく息子さんの様子を見ていたところ「何かおかしい…」と感じます。たまに出る咳やうなり声がかすれていたのです。違和感をもったちーのさんは、まず小児救急電話相談(#8000)に相談し、夜間救急を受診することに。
病院に着いたときには、息子さんの目は覚めていて咳などの症状は落ち着いていました。そこで診察の際に「寝ているときだけ症状が出る」ということを伝えると、聴診で呼吸音を聞き、のどを見た医師から「クループ症候群」と診断されたのです。
クループ症候群とは、生後6ヶ月から3歳の乳幼児に多い疾患。晩秋から冬季に発症しやすく、のどの奥がウイルス感染によって腫れることで気道が閉塞する風邪です。咳に特徴があり「オットセイの鳴き声のような」「犬がほえるような」と例えられることもあります。また声がかすれたり、熱が出たりすることもあるといいます。
クループ症候群と診断された息子さんは、診察後そのまま病院で数分薬剤の吸入をしてもらい、すぐにもらったステロイド薬を飲んで帰宅。翌朝からは、風邪のときにもらう薬と同じ痰が出やすくなる薬を飲んで過ごし、徐々によくなりました。ちーのさんは、 1週間くらいで気にならなくなったと話していました。
今後も観察することを意識して
クループ症候群はウイルスの感染によっておこるため、再度発症する可能性があります。そこでちーのさんは、息子さんに手洗いの習慣をつけさせること、親も手洗いやうがい、マスクなどをすることで日々気をつけているといいます。
息子さんのいびきから違和感を覚え「朝の診療を待たずに早めに受診してよかった…」と語るちーのさん。早めに行動できたのは「日々子どものことをよく観察していたから」と話します。
またクループ症候群はあまり聞き慣れない言葉ですが、以前TikTokの動画で見ていて知っていたことも早期の発見につながりました。
そして、これからも「今まで通り、観察することを意識しています」と語ってくれました。息子さんは現在2歳になり、元気に過ごしています。
早めの受診のきっかけとなってほしい
ちーのさんは、TikTokで息子さんの成長などに加え、クループ症候群についても投稿しています。
発信しようと思ったきっかけは、動画などで見るクループ症候群のほとんどが重症化している症状が多かったからです。ちーのさんが撮った息子さんの動画を見ることで、重症化する前の症状を知れば早く気づいて受診するきっかけになるのでは…という思いがありました。
この投稿には「知らなかった…こうした病気を共有してくれると、SNSを使っていてよかったと思う」「娘の咳がケンケンとなって、夜間救急を利用したことがある」「お母さんってすげぇな」など、クループ症候群を知らなかった人や実際の体験談などが多く寄せられていました。
また、中には「この動画に出逢っていなかったら手遅れになっていたかもしれません」と、息子さんが熱を出して咳も怪しく、様子を見ながら寝かしつけていたときに、ちーのさんの動画を見て救急車を呼び大事に至らなかった…というコメントもあったのです。ちーのさんの発信によって、助けられた方がいました。
幼い子どもを育てていくうえでは、不安になることがたくさんあります。ちーのさんの投稿から、クループ症候群について初めて知った人も多いでしょう。また「何か変だな…」と感じたら、早めに受診することも大切だと気づかされたのではないでしょうか。