「まさかの理由で脱水になった話」

「まさかの理由で脱水になった話」
「まさかの理由で脱水になった話1」(@maa.m850さんより提供)

夏場、熱中症にならないよう、水分補給やエアコンの使用など充分気をつけている方も多いでしょう。

3歳のゆりちゃんは、エアコンや水分補給などの対策をしていたにもかかわらず脱水を起こします。それは「まさかの理由」でした。

そのときのことを、母親のまーこさんはInstagramで「まさかの理由で3歳が脱水になった話」として発信しています。脱水と診断されるまでのゆりちゃんの様子や、まさかの理由を聞いたときの気持ちなど話を聞きました。

エアコンも使用、水分補給も心がけていたのに…

ゆりちゃんが3歳のときの夏の出来事です。そのとき、まーこさんは出産を数ヶ月後に控えていました。
暑さが厳しい夏場、自身が妊婦であることとゆりちゃんもまだ幼いため、エアコンをしっかりと使い、水分補給も心がけていたといいます。

しかしある日の朝、いつもなら8時に自分から起きてくるゆりちゃんが9時になっても起きてきません。起こしにいきますが、なんだか元気がないゆりちゃん。
「寝起きだからかな…」と思い、とりあえず朝ごはんを食べさせて様子と見ようと考えました。

「まさかの理由で脱水になった話⑨」(@maa.m850さんより提供)

元気を出してほしくて、ゆりちゃんが好きなものばかり用意しますが、結局一口も食べず…。

飲み物も飲まず、ご飯どころか床に寝っ転がり、ボーッとして眠ってしまいそうなほどぐったりしていました。このとき、熱を測ってみますが熱はなく「とにかくぐったりとしている、食欲がない、水分補給ができないといった感じだった」といいます。

「まさかの理由で脱水になった話⑭」(@maa.m850さんより提供)

「明らかにおかしい…」と思い、たまたまお休みだったパパさんの運転で総合病院に駆け込みます。
道中、ゆりちゃんはさらにぐったりしてしまい呼びかけにも反応しない状態でした。

「まさかの理由で脱水になった話⑰」(@maa.m850さんより提供)

受付を済ませたころには、目を開けて起きていたことにまーこさんは少しホッとしたといいます。

診察後、ゆりちゃんは血液検査をすることになりました。注射のときはいつも大泣きしますが、このときは泣かず…。嫌でも泣く元気すらなかったことに気づき、まーこさんは胸が締め付けられる思いでいました。

パパさんと散歩に行った後飲んでいたのは…

検査の結果が出るまで、パパさんはゆりちゃんを抱っこして院内を散歩することにしました。そして10分後に戻ってくると…。
なんと、ゆりちゃんはぶどうジュースを飲んでいました。しかも2本目。このときのパパさんの機転に対して、まーこさんはこう話します。

「一言でいうと『神!』です。パパが動いてくれたからこその結果だったので、今ここにパパがいてくれて本当によかったと思いましたし、これだけで『この人と結婚してよかった〜』と思うくらい心の中で感謝しました(笑) 不安でいっぱいいっぱいだった私と違って、散歩したり自販機を見たりする余裕があったところもすごいな…と思いました」

ジュースを飲んでいるゆりちゃんを見て「心なしか顔に元気が戻ってきている気がした…」と感じたまーこさん。

血液検査の結果が出るまで「原因もわからず何か大きな病気なんじゃないかと不安と焦りでいっぱいでした。水分がとれるようになってからは少し冷静になれましたが、それでも結果が出るまでは不安でした」といいます。

検査の結果は…

検査の結果は「かくれ脱水」でした。かくれ脱水と聞くと、ご高齢の方などが寝ている間になると思われがちですが、小さい子どももなりやすいのだそう。

「エアコンも一日中つけっぱなし、水分補給もしていたのにどうして?」とまーこさんは疑問を抱きます。

医師から、寝る前の水分補給について聞かれたまーこさんは「お風呂上がりと歯磨き前に牛乳を飲んでいる」と伝えました。また、寝る前だけではなく、ご飯のとき、散歩から帰ってきたときも牛乳と話し、ゆりちゃんがその日牛乳しか飲んでいなかったことに気づきます。

一日中、牛乳しか飲んでいなかったことが原因だと医師から告げられました。そして水分不足が重なり、軽い脱水になっていたのが、寝ている間にぐっと進んでしまったと…。

牛乳が原因だと聞いたまーこさんは、率直に驚いたといいます。
「まさかそんな理由で水分不足になってしまうとは思いませんでした。それと同時に、自分の無知でこんなことになってしまい、子どもに申し訳なく思いました」

牛乳は意外と水分量が少なく、液体なのに含まれる水分量はほうれん草や大根よりも少ないのだそう。また、カロリーも脂肪分も多い牛乳は結構お腹にたまり、たくさん飲もうとしてもすぐお腹いっぱいになってしまうため、水は麦茶などのようにたくさんは飲めないことも理由だといいます。さらに飲みすぎると吐いたり下痢したりで逆に脱水しやすくなることも…。

医師によると、牛乳が好きなことはとてもいいことですが、メインの水分補給には麦茶か水、牛乳は1日に1~2杯くらいがいいということでした。

1~2時間で普段の様子に戻ったゆりちゃん

ゆりちゃんは、水分がとれるようになってからは1~2時間程度で普段の様子に戻ったといいます。
「病院を出たのは昼前くらいで、その日のお昼ご飯はいつもどおりに食べられたので、とても安心したのを覚えています」

牛乳が大好きなゆりちゃん。脱水症状を起こしてからの飲みものについて、どう変化があったのかを聞いてみました。
「脱水症状を起こしてからなるべく麦茶を飲んでもらっています。『嫌だ』と抵抗されたときは、状況次第ですが基本的には『牛乳ばっかりだとまた具合悪くなっちゃうかもしれないよ〜先生も麦茶飲んでって言ってたでしょ?』という感じで説得しています。どうしてもだめなときは、麦茶の後でという条件で牛乳を飲ませたり、代わりにりんごジュースを飲ませたりもしました」

まーこさんは投稿の中で「牛乳自体はよいものなので、牛乳大好きなお子さまがいる皆さまご心配なく!悪かったのは私の飲ませ方です」と伝えています。

SNSで発信する思い

まーこさんは、ゆりちゃんの脱水の経験をSNSで発信しています。

それには、毎年暑くなってくるとゆりちゃんが脱水になってしまったことを思い出し、今年も本当に暑かったため、こういうことを知ることで一人でも具合が悪くなる子が少なくなればいいな…という思いがあったからだといいます。

投稿には「そんなことが!」「牛乳が好きでも他のものも飲ませないとだめなんですね」「牛乳飲んでいると水分とっていると思っちゃいますよね」など、勉強になったというコメントがたくさん寄せられています。

「本当にたくさんのコメントをいただけて嬉しかったですし『知らなかった、参考になった』という声も多くて、私の失敗談を皆さんの参考にしてもらえてよかったと思いました。 私は医療関係者ではないので、詳しい対応策や知識に基づいたことを書くということはあまりできなかったのですが、それでもたくさんの方に見ていただけて本当に嬉しかったです。牛乳が大好きな子をお持ちの親御さんや、同じく牛乳ばっかり飲ませちゃってたという親御さんのコメントも結構あって、勝手にすごい親近感を抱きました!」と話してくれました。

そしてゆりちゃんの経験を踏まえて、今後も子どものちょっとした変化に気づけるよう、普段からよく子どもの様子を観察するようにしようと思ったといいます。
また「私にもう少し知識があれば防げたのかなーと思った出来事だったので、少しでも役に立ちそうなことは積極的に学んでいこうと思いました」と前向きに考えていました。

自身の経験を発信したことによって、改めてかくれ脱水の怖さに気づかされた人も多いのではないでしょうか?
まーこさんの経験を参考にし、今後も気をつけていきたいものです。

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