「ヘアターニケット症候群」という言葉を聞いたことがありますか?
「ヘアターニケット症候群」とは、赤ちゃんの手や足の指に体毛や糸が巻きついてしまい、髪の毛や糸が巻きついたところから先の部分の血流が悪くなってしまうこと。最悪の場合、壊死してしまう危険性があるようです。
0歳と2歳のお子さんのママである看護師のちあ(@chia_mama.ns)さんは、安心・安全に育児をするために病気・けが・事故の知識などを発信しています。その中の投稿である「ヘアターニケット症候群」についてちあさんに話を聞きました。
「子どもの指が壊死してしまうかも」
赤ちゃんはいろいろなことに興味があり、何でも触ってしまいます。手が届くところに髪の毛や糸があれば触ってしまうでしょう。
ちあさんによると、これが赤ちゃんにとって、実は危険なんだとか。髪の毛や糸が赤ちゃんの手や足の指に巻きつき、そこに痛みと腫れが起きて最悪の場合、血流不足のため患部が壊死することもあるそう…。これが「ヘアターニケット症候群」です。
そのヘアターニケット症候群について、ちあさんは「みなさんに知っておいてほしい日常に潜む危険」だと話します。
産後のママはホルモンバランスの崩れなどから、抜け毛が多くなる傾向があります。また、添い寝をすることもあるでしょう。抜けた髪の毛を赤ちゃんがいつの間にか触っていたり、長い髪の毛のママと添い寝をしているときに首にからまったり、という危険があるのです。
髪の毛だけではなく、靴下の内側の糸にも注意が必要だとちあさんはいいます。そこで髪の毛や糸などに対し、どう注意していくべきかを聞いてみました。
「赤ちゃんはいろいろなことに興味があるので、触ってしまうことが多いですよね。コロコロや掃除機で環境を整えることが大事ですが、なかなか忙しいとできないこともあるので、髪の毛を結んだり、ピンで留めたりすると抜け毛が落ちにくいです。また、糸による事故で多いのは靴下の内側の糸です。キャラクターのものは糸が出ていることも多いので裏側をチェックし、糸が出ているようなら切る対策をしていきましょう」
安心・安全な環境をつくる対策が大切
日々安全に過ごせるよう配慮しているちあさんですが、家でヒヤッとすることもあったといいます。
2歳のお子さんがスクイーズボールで遊んでいたら、それが割れて中身のプチプチが出てきてしまい、0歳のお子さんがそのプチプチを食べてしまっていたそう。
それはちあさんがお手洗いに行っていた数分で起きた出来事でした。
「日頃から、誤飲しそうなものは手元に置かないようにしていますが、そんなことも起きるのかと驚きました。電池の入っているおもちゃなど中身が危険なものもたくさんあると思うので、出ないようにテープを貼るなどをして補強すること、目を離すときは安全なおもちゃで遊んでもらうなどが大切だと感じました」
その出来事から改めて、安心・安全な環境をつくる対策が大切だと考えたことを話してくれました。
「看護師ママの安心できる子育て術」の発信のきっかけ
ちあさんが看護師として働く中で、子どもの病気やけがで受診し、どうしたらいいのか悩むママたちや自分を責めるママたち、悲しい事故にあった子どもたちに出会うことがたくさんあったといいます。
「自身が母となり、子どもの病気やけが、防げるはずの悲しい事故について知る場所がないことに気づきました。そこで1人でも多くの子育てする人たちに気軽に知ってもらい、ママもパパも子どもたちも、みんなが安心して幸せな日々が過ごせるようになってほしいと思い発信を始めました」
今後について「子育てに奮闘するママやパパはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃん、保育士さんや託児スタッフさんなど、子どもに関わるすべての人に届き、知るきっかけになってほしい」と話すちあさん。
ちあさんの投稿には、安心して子育てをしていくためのポイントが詰まっており、看護師とママの目線から「子どもの健康を一緒に守ろう」という思いが伝わってきます。
それは子育てママさんの大きな力となり、今後も助けとなっていくでしょう。