子ども連れでの外出は、困ってしまうこともあります。そんなときに優しく声をかけてもらうと嬉しいですよね。
今回紹介するのは「フードコートで赤ちゃん連れのママに声をかけたこと」についてのエピソードです。
イラスト:チッチ
平日のフードコートで
ユマ(仮名)さんが、平日のショッピングモールへ行ったときのことです。ユマさんは、自身の2人の子どもが幼稚園に行っている間に買い物へ行き、フードコートでお昼を食べていました。
そこへやって来たのは、ベビーカーに乗った赤ちゃんとママさん。ベビーカーで眠っている赤ちゃんを見ながら、ユマさんは「あ、寝ているうちにママが食べようとしているのね」と自分の経験と重なりました。
しかし、ママさんが食事をし始めると、赤ちゃんが泣き始めてしまったのです。ママさんは持ってきたお茶やスナックをあげていましたが、赤ちゃんの機嫌は直りません。
ユマさんは、あまりジロジロみてはいけないと思いながらも、他人事に思えず観察していました。赤ちゃんはママに立ってもらって抱っこでゆらゆらしてほしそうでしたが、ママさんはさっさと食べてこの場を去りたいという感じでした。
そのときすでに食べ終わっていたユマさんは「抱っこしていましょうか?」と声をかけてみることに。しかし、ママさんは「いえ、大丈夫です」と答えました。
おそらく、相手に迷惑をかけてしまうのではないか、そもそもこの人に預けて大丈夫だろうかなど、いろいろ考えてしまったのだと思います。
そこでユマさんは「私は食べ終わったし、息子の幼稚園の迎えまで時間があるので大丈夫ですよ」と伝えました。すると「ママ同盟」が締結したかのように、ママさんは「いいですか?急いで食べますので…」と抱っこを承諾してくれたのです。
ユマさんが赤ちゃんを抱っこすると、ママさんに抱っこしてもらいたそうな様子の赤ちゃん。しかし、ママさんの顔が見えるように抱っこし、ママさんが持参したおもちゃであやしているうちにご機嫌になりました。
その後は、ママさんと子育てあるあるの話をするなどして盛り上がりました。
みんなが助け合えたら…
このときの出来事について、ユマさんに話を聞きました。
ーどうして赤ちゃんを抱っこしてあげようと思ったのでしょうか?
自分も子どもたちが幼稚園に行く前、よくショッピングセンターやそこのフードコートを利用していました。子どもが遊ぶところやおむつ替えコーナーなどがあり、空調設備も整っているため、とても恵まれた環境でした。しかし、ちょっとしたことで困ることもありました。例えば、今回のママさんのように予想外に子どもがぐずったり、子ども2人をつれてフードコートに行ってベビーカーを押しながら料理を運んだり、さらには途中で1人が「トイレ!」と始まることもありました。そんな大変なことがたくさんあったので、自分が手伝えることがあれば…と思って声をかけてみました。
ーあなたが取った行動で、その方はどういった反応をしていましたか?
ママさんは申し訳なさそうに慌てて食事をしていたので、こちらから話しかけて盛り上げようとしました。その方が赤ちゃんも安心するかと思ったからです。我が家は2人の男の子なので、赤ちゃんが着ていた可愛いお洋服の話題で話をもっていったような気がします。そこから「この時期は何を着せたらいいの?」「この時期どんな離乳食を食べさせたらいいの?」「どういうところに遊びに連れていきましたか?」などいろいろ質問されながらお話ししました。
ーその後、その方ははどんな様子でしたか?
最初の申し訳なさそうな感じや、一生懸命情報収集をしている感じなどが数年前の自分を見ているようで親近感がわきました。
ーご自身がした行動について、どう思いましたか?
やっぱり声をかけるのは「大きなお世話かな?」と迷いましたが、ママさんがゆっくり食事ができたのでよかったと思います。
ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
子どもを連れて外に出て「静かにさせなきゃ」「泣かせないようにしないと」などストレスになることもあります。でも、ずっと家に閉じこもっているとママさんはノイローゼになってしまいます。断られたらそれまでで気にすることない、と思ってみんなが助け合えたらと思います。
手助けを申し出るのは勇気がいることもありますよね。楽な気持ちで声をかけ合えるといいですね。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。