子どもが電車やバスのなかで盛大に泣きだしてしまったとき、内心とても焦りますよね。気のせいか、いつも以上に大きな声で主張する我が子…。
アリサ(仮名)さんはそんなシチュエーションで、素敵な親子と出会いました。今回はまさに神対応でピンチを救ってくれた親子のお話です。
電車内で大ぐすりの息子
アリサさんの息子さんが1歳10ヶ月のころのことです。息子さんが熱を出したことで病院にかかり、電車で自宅へ帰っていました。体調が悪かったせいか、息子さんは電車に乗り込んだあとすぐに抱っこをして欲しいとぐずり出してしまいました。
アリサさんは、大量の荷物とベビーカーを持っていたのでどうしても抱っこが難しく、電車のなかで泣きじゃくる息子さんを必死になだめていました。
そんなとき、40代ぐらいのお母さんと中学生くらいの女の子が息子さんに話しかけてくれたのです。
「ママもね、とっても抱っこしてあげたいんだけど荷物をたくさん持ってるからできないんだ。ちょっと頑張ってみようか?」とお母さんが言ってくれて、中学生の子が「弟もこんな感じだったよね。懐かしいなぁ。これはどう?」とバッグについていたキャラクターの人形を見せながらあやしてくれました。すると息子さんは話しかけられたことが嬉しかったのか、泣くのをやめてベビーカーに大人しく座ってくれたのです。
公共の場でなおかつ、混んでいる時間帯でのこと。アリサさんは、周りの方に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていたので、この親子の親切に救われた気持ちになったのでした。
神対応に感謝
ー助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
まるで知り合いかのようにサッときて手伝ってくれ、息子をなだめてくれるお母さんと、まだ中学生なのに優しい笑顔で遊んでくれる娘さんを見て本当に感動しました。ごく当たり前のようにその行動をしてくれたことに本当に驚き、私も困っている人がいたら迷わずサッと声をかけてあげられる人になりたいと思いました。お2人に「ありがとうございます!本当に助かりました」とお辞儀をしてお礼を言うと「私も助けてもらったからね。ママ頑張るんだよ」と言葉をもらい、さらに感謝したのを覚えています。
ー相手の方とはその後、何か会話をしましたか?その際、どのような会話をしたのか教えてください。
同じ場所で降りたので、再度「ありがとうございました」と伝えると、にこっと笑顔でバイバイしてくれました。
ー子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
公共の場所へいくときはなるべく、音の鳴らないおもちゃを持っていったり、お菓子を持っていったりと工夫しています。それでも無理なときには、子どもの好きな車や電車の写真を携帯にためておいて、見せながら話かけるようにしています。
泣いているときに「すみません」と言っていると「赤ちゃんは泣くものだから」と言ってくださる方もいますが、どうしても仕事帰りの方が多く乗っているときなど、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、途中で諦めて下車することもあります。公共交通機関を気軽に使うのはまだ難しいなあと思っています。
積極的に声かけを
ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
電車に乗ろうとしている人がいたら、積極的にベビーカーを持ち上げたりしてお手伝いするよう心がけています。泣いている子がいてお母さんが困っていたら、さりげなく声をかけるようにしています。
ーこの経験を誰かに話したことはありますか?ある場合、どんな反応や返答がありましたか?
母と夫に話しました。2人とも「そんな人がいてくれるんだね。してもらった分私たちも行動していこう」と言っていました。
ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
声をかけてくれるのはとても嬉しいです。一人で子育てをしていて苦しいときに、周りの人も見てくれているんだなと思えて、心強いからです。
ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
子育てでは誰もが通る道だと思います。そのとき、私だけじゃないんだと思えるだけでとても救われると思います。そしてお出かけの際はお菓子やおもちゃなどの用意をするだけで、困ったときに助かるのでそういった準備をしておくことがおすすめです。
アリサさんは今回の出来事から、困っている人に積極的に手を差し伸べることができるようになったと変化を話してくれました。知らない人に声をかけることは、少し勇気がいりますよね。しかし今回の出会いは、アリサさんを助けてくれただけでなく、一歩踏み出す勇気を与えてくれました。このように、助け合いの輪が広がっていけば、もっと気軽にお出かけを楽しめるようになるのではないでしょうか。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。