妊娠中、息子をベビーカーに乗せ移動していると目の前に“長い階段”が… 困っていると、声をかけてくれた親子の対応に「感動しました」

妊娠中、息子をベビーカーに乗せ移動していると目の前に“長い階段”が… 困っていると、声をかけてくれた親子の対応に「感動しました」
『妊娠中に駅で助けてもらったこと①』イラスト:テッチ

妊娠中や小さな子どもを連れているときなど、誰かの手伝いが必要なこともありますよね。そんなときにサッと手を差し伸べてもらえたら助かるという人は多いでしょう。

今回紹介するのは「妊娠中に駅で助けてもらったこと」についてのエピソードです。

イラスト:チッチ

駅の長い階段を目の前に…

2人目を妊娠中のハルミ(仮名)さんが、1歳2ヶ月の長男を連れて妊婦検診に行ったときのことです。転勤したばかりで頼れる人も少なく、タクシーで行くのも交通費がもったいないかと思い、長男をベビーカーに乗せて電車で妊婦検診へ行くことにしました。

しかし、初めて出かけた駅には長い階段があったのです。バリアフリー対応のエレベーターはあったものの、案内板は見当たりません。地方都市でまだ整備が行き届いてなかったようです。

ベビーカーに乗せた長男を連れて周囲を見回していたハルミさん。すると、小学3年生くらいの息子さんを連れたママさんが「手伝いますよー!」と声をかけてくれました。「ここ不便だし、駅員さん少ないし、わかりづらいよねぇ」と言いながら、ハルミさんに長男を抱っこするように促し、ベビーカーを持ってくれたママさん。一緒にいた息子さんはハルミさんのマザーズバッグを持ちました。

階段②
階段②

「ゆっくりでいいからね!」と声がけしてくれたママさんは、階段の上で待っていてくれました。そのときにエレベーターの場所などを詳しく教えてくれ、息子さんと手を振ってさわやかに去っていきました。

手を差し伸べられる人に

このときの出来事について、ハルミさんに話を聞きました。

ー助けてもらったとき、ママさんとその息子さんに対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
こんなにありがたいことがあるんだ、と感動しました。ママさんにも息子さんにも、階段を上り始める前、そして上り切って長男をベビーカーに座らせるまでに、何度も何度も「ありがとうございました!本当に助かりました!」とお礼を伝えました。息子さんはお母さんに頭をぐりぐりとなでられて照れくさそうに笑っていましたが、お母さんの教育のたまものなのか、とても礼儀正しくて、しっかりしていると思いました。このことから、自分も長男とこれから生まれてくる子にもしっかりとしつけと、こういうときの対応を教えようと思いました。

ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?
残念ながら一期一会になってしまいましたが、心からの「ありがとうございました」を伝え、姿が見えなくなるまで見送り、手を振って別れました。とても気持ちのいい笑顔のママさんと息子さんでした。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
妊娠中、育児期は子どもと自分のことで精一杯でしたが、子どもが成長して自分が身軽に動けるようになったら、困っている人に手を差し伸べられるようになりたいと思っていました。

ーこの経験を誰かに話したことはありますか?ある場合、どんな反応や返答がありましたか?
息子たちが幼稚園児くらいになったとき、同じような場面に遭遇したので、今度は私がベビーカーを持ってお手伝いしました。同行していた息子たちに、その帰り道に「あなたたちが小さかったときに、ママも助けてもらったのよ」と話し、大きくなったら誰かのお手伝いができる人になってね、と伝えました。そのおかげか、息子たちもときおりそうした場面に遭遇し、手を差し伸べていたようです。

ーこのような経験と同様、子育てをしていて大変な時はどんな時ですか?
妊産婦だったり、小さな子どもがらみだと、予想を超えることが頻発したり、一度にトラブルが押し寄せてきたりして「まずどこから手をつけたらいいか」と戸惑い途方にくれることがあります。子どもの安全を確保し、両手では受け止めきれない大荷物を抱え、どんなに目を光らせていても子どもが転んでけがをして号泣…といったときには思考停止しそうになります。一つ一つはなんとかなっても、それが怒涛のように押し寄せてくると、困惑して「うわー…」と思ったり、イラついたりします。そんなとき「何か手伝えることありますか?」と一声かけてもらえると、すごく助かると思います。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
妊娠から出産、育児期はみなさんけっこう孤独で、しんどい気持ちになりがちですが、意外と「お手伝いしたい」と考えている方は周囲にいるはずです。自分から頼むのは気が引けるかもしれませんが、もし手を差し伸べられたら、遠慮なく頼ってほしいです。もしそのときに「助かった!」と思ったら、いつかその助ける側になってくださいね。小さいことでいいんです。そのお手伝いが、本当にありがたいと感じる人がたくさんいるはずです。

自分が助けられるときには助ける側になるというのも大事なことですよね。お互いが助け合いながら生活していけたらいいですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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