世界保健機関(WHO)によると、出生体重が2500g未満の赤ちゃんは低出生体重児と呼ばれています。小さく生まれた赤ちゃんには、さまざまなリスクが伴う場合もあります。
3人のお子さんを育てる@aki_ao.hina.hiyoさんは、小さく生まれた赤ちゃんのための本「リトルベビーハンドブック」を作りました。母子手帳ではしっかりと書けない成長過程や小さく生まれても1人ではないと寄り添えるような冊子です。
@aki_ao.hina.hiyoさんの双子のお子さんはそれぞれ難病を抱えています。
さらに長女も含めお子さん3人ともHSCという特性があります。その日常について「闘病中でも笑顔いっぱい」とスローガンを掲げてSNSで発信をしています。
今回は、リトルベビーハンドブックや難病をかかえるお子さんなどについて、@aki_ao.hina.hiyoさんに話を聞きました。
リトルベビーハンドブック
ーリトルベビーハンドブックを作ろうとしたきっかけや、思いについて教えてください。
私自身が3人ともに未熟児で出産し、コロナ禍もあり誰にも相談できない不安のなかでの育児が始まりました。
わからないことだらけで、小さく生んでしまった双子に対し、自分をとことん追い詰めていました。
きっとあの頃、リトルベビーハンドブックや同じように悩んでる方がいるサークルがあれば、気持ちが違っただろうなという思いから作成に至りました。
我が子の闘病について
ー双子のお子さんはそれぞれ難病を抱えているそうですが、どのような疾患なのでしょうか?
双子の兄は、先天性心疾患です。心室中隔欠損症を伴う肺動脈閉鎖で、ペースメーカーも入っています。双子の妹は、産後すぐに動脈管開存症で心臓の手術をし完治するも、肝外門脈閉塞症という病気が発覚しました。
ー闘病についてなど、SNSで発信しているのはどんな理由からでしょうか?
子どもが難病で、あまり知られていない病名もあり、どうにかして経験した人と繋がりたくてSNSで必死に探していました。
SNSのよさは、会ったことはないけれど同じ病気で頑張っている人たちと簡単に繋がることができ、連絡を取れることだと思っています。
そのなかで、不安に思ったことを経験した先輩方に相談したり情報交換したりと、私にとって子どもの命を救うために活用したツールです。
この情報交換のおかげで、私は助けられた部分がたくさんあります!だからこそ、同じように情報を探している方へ私の経験を届けたい!と思うのも発信し続ける理由です。
ーそれぞれのお子さんのケアで大変なことはなんですか?
双子兄は、ペースメーカーが入っているので電磁波はもちろんですが、体への衝撃回避も必要です。
さらに心臓に重い疾患があり、風邪などでも悪化してしまうので、毎日の体調管理は気にかけています。双子ともに睡眠障害があり、朝まで通して寝たことが一度もありません。
それぞれ夜泣きするタイミングも違うので、夜に寝られないのは本人も辛いし、親としてもかなり精神的にも体力的にも削られます。
ーそれを乗り越えるためにどのようなことが支えになりますか?
まだ乗り越えられてはいませんが、周りの人が本当に優しく声をかけてくださるので「まだまだ頑張れる!」と気持ちを保ててるのかなと思います。
“HSC”を持つ3人の子ども
HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)とは、音や匂いに敏感で、にぎやかな場所や集団行動が苦手といった傾向がある子どものことを指します。
ー長女さんも含めお子さん3人ともHSCとのことですが、3人それぞれの特性などちがいはありますか?
服の素材や肌に触れるもの、味、食感、匂いなど3人とも感覚過敏が強いです。
長女は、人の気持ちを察知しすぎて、自分のことのように悲しくなってしまい、疲れてしまうところがあります。また、できないことに対して、まぁいいかとならず、完璧でないとパニックになることも多いです。
双子兄は、人の泣き声、怒り声など音にとても過敏でパニックを起こしてしまいます。双子妹は、大人の心を察して、先回りして行動してしまいます。とても顔色を伺います。食べこぼしなどが苦手で、潔癖症の傾向もあります。
3人の子育て
小学2年生の長女さんはとても優しく、双子のお子さんはお姉ちゃんが大好きです。3人の子育てについても話を聞きました。
ーご自身はシングルマザーとして子育てをされていますが、シングルマザーとして難病の子どもをそだてるうえで何か大変なことはありましたか?また、それを乗り越えるためにされてきたことがあれば教えてください。
まず、私自身シングルでも婚姻時でも、子どものことは私1人で担っていたところがあるので、正直シングルになったから大変というのはあまり感じなかったです。
1番シングルで大変なのは、やっぱり働きに出られない、ということです。毎月のように双子のどちらかが入院していたので、その度に一緒に付き添い入院をしていて働くことができなかったのは辛かったです。
解決するためには、家でできる仕事をひたすら挑戦していくしかなかったです。
ー「闘病中でも笑顔いっぱい」とSNSで掲げていますが、そのために意識していることはありますか?また、そのような思いを掲げるきっかけがあれば教えてください。
とにかく口角上げて笑顔で過ごそう!と子どもたちとはよく話します。
辛いときに無理に笑顔にするのって本当に大変なことですが、やはり笑顔でないと楽しいことは起きないし、よいものを掴みにいけないと感じています。
私の人生のなかでとにかく笑顔でいた時期は、山あり谷ありあったときでも「よしまた頑張ろう!」と落ち込むよりも先に前を見て過ごせていました。
自分の心を押し殺してまで頑張る必要はないと思いますが、笑顔でいるとその瞬間だけでも周りも自分も嫌な気持ちにはならず、よいことばかりだと感じます。
最後に、3人のお子さんには「ただただ笑って、自分の人生を楽しんでほしい」と話してくれました。
子育てにはさまざまな困難もありますが、子どもが笑って過ごしてくれるのが、1番の喜びですよね。