子育て中はいろいろなことが気になってしまい、ひとりで抱え込んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そんなときに、優しい言葉をかけられると嬉しいですよね。
今回紹介するのは「子育て中にかけられた優しいひと言」についてのエピソードです。
イラスト:23ca
繊細な息子
ユウカさん(仮名)の息子が2歳のときのことです。
公園で遊んでいると近くの保育園の子どもたちが遊びに来ていました。
保育士さんから「来週の土曜日に保育園を開放しています。保育園に通うつもりがなくてもかまいません。ちょっとしたイベントも行うので、遊びに来ませんか?」とチラシを貰いました。
ユウカさんは一緒にいた仲良しのママさんたちと3組で遊びにいくことに。
ところが当日、場所見知りの激しい息子は泣いてしまいます。
ユウカさんはせっかく誘ってくれた保育園の人や、一緒に行ってくれた友人たちにも申し訳なく思い、息子にもムリをさせてしまったのではないかと後悔しました。
ところが保育園で教えてもらった手遊びを家でやってみると息子は大喜び。
「それならば」と、月に一度の保育園の開放の日に遊びに行くようにしましたが、何度行っても息子さんは泣いてばかりでした。
あるとき、激しく泣いてしまったので園長先生が公園に連れて行ってくれました。
園長先生は「息子くんは感受性が強いタイプだから、ちょっとした変化に敏感で泣いちゃうんだと思う。こういう子ほど個性的で大バケするから心配しなくていいわよ」と言ってくれたそうです。
息子の場所見知りに悩んでいたユウカさんは「力を抜いていいんだ」と思えるようになったといいます。
園長先生からのことば
このときの出来事についてユウカさんにお話しを聞きました。
ー園長先生から声をかけてもらったときにはどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
保育園の園長先生ですから、たくさんの子どもや親たちを見ていることでしょう。そんな先生の言うことだから信用できると思いました。
子どもが泣いてしまうたびに申し訳ない気持ちや情けない気持ちになりましたが「そんなことは考えなくていい」と言われて楽になったんです。母親である私のほうが力が入ってしまっていて、泣かせないようにと思い込んでいたのだと思います。
泣いてしまったら好きなものを見つけたり、落ち着いたら泣き止むと考えるようにしていたら、だんだん泣き止むまでに時間がかからなくなりました。
園長先生には「ありがとうございます。とても個性的なパパの息子なので、個性的な息子に育ちますね」と伝えました。
ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
場所見知りは慣れないところといつものところの区別がつくということなので、あらかじめ「今度は保育園に遊びに行こうね」「明日は保育園で遊べるよ」と予告するようにしました。
ー育児をする上で、大変なことはどのようなことでしょうか?
自分の時間がまったく取れないことです。
本を読んだり好きなテレビドラマが見られなかったりだけでなく、トイレさえ行きたいときに行けませんでした。
ベビーチェアをトイレの前に持ってきてドアを開けたまま入るのが当然になりました。本はなるべくエッセイなど短いものを選び、ドラマは録画して子どもが寝たときに少しずつ見るようにしました。
子どもと一緒に楽しむ時間を増やすと、子でもと一緒にいることが苦痛ではなくなると思います。私は子どもと公園へ行くことを楽しむようにすることで、自分の時間がないとは感じなくなりました。
ー同じように育児に悩む方に伝えたいことなどを教えてください
私は息子が5歳のときに娘を妊娠しました。
6つ違いの兄弟ですが、同じように育てたのに性格がまったく異なります。同じ性格の子どもは2人といないので、その違いを楽しんだほうがいいと伝えたいです。
あとは、時短に利用できるものは何でも利用して、少しでも子どもと一緒にいる時間を増やすのもいいと思います。
また、周りの人の助けを借りることもいいと思います。
周りの人の目があったほうが、自分では気がつかないことにも気がつきますし、いろんな人と接したほうが子どもの成長にプラスになると感じました。
子どもの成長は人それぞれ。子どもの個性を楽しみながら成長を見届けていきたいですね。
※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。