ダウン症にどのようなイメージがありますか?「具体的には知らないけど、障がいだからできることは制限されるのかな…?」と思う方もいるでしょう。
今回は、現在福岡に住んでいる19歳、ダウン症の杏さん(以下、杏ちゃん)を紹介します。
杏ちゃんは「同時バク転世界記録」を持っており、杏ちゃんが日々様々なことにチャレンジする様子をお母様(ryoko.884dx)がInstagramにて発信しています。
バク転を習得し、世界記録を出すまでの話をryoko.884dxさんに聞きました。
「私もバク転がしたい!」
ダンスを習っている杏ちゃん。ある時、ダンスの先生がバク転をしているのを見て「私もやりたい!」と目を輝かせました。@ryoko.884dxさんはこの夢を叶えてあげたいと思い、早速杏ちゃんはバク転講座を受け始めます。
杏ちゃんがバク転に憧れたのは、ももいろクローバーZの百田夏菜子さんがハンドスプリングをしている映像を見ていたのも影響しているとか。
杏ちゃんがバク転を始めたのは2年半前。1回の講座は2時間で、延べ42日間84時間くらいバク転講座を受けているそうです。
バク転と考えるだけで恐怖もあったり、上手くいかず心が折れてしまうこともありますが、杏ちゃんの練習姿勢に目を見張るものがありますね。
最初の2年間程マンツーマンで大体跳べるようになり、最近はグループレッスンを受けているそうです。
世界記録挑戦へ
杏ちゃんがギネス記録を達成したのは2022年12月11日。最多人数での同時バク転ギネス世界記録です。
杏ちゃんたちが更新する前の最多記録は、24時間テレビで行われた160人。この記録を抜こうということで、杏ちゃんがバク転講座に通っているワーサル福岡がバク転する人をInstagramで募集していました。お世話になっている野口コーチに相談し、参加することに決めたそうです。
しかし、挑戦前日の練習でもマット上で1人でバク転が出来ても、床では成功が難しかった杏ちゃん。「参加は厳しい」と言われていました。
挑戦当日、会場に行っても最後まで諦めずに練習する杏ちゃんの姿に、ワーサルの先生から「補助付きで参加しましょう」と参加を許してもらえました。
「ギネス挑戦者の人数には入らないかもしれないけど、努力していたので一緒に参加させてもらえることが嬉しかったです」とryoko.884dxさん。
補助が1人つくということは、バク転最多人数の参加者が1人減るということ。ワーサル側の勇気ある決断だったと思います。そして、161人の挑戦でギリギリ同時バク転世界新記録を更新しました。
そしてこの記録は、なんと補助付きの杏ちゃんのバク転も認められ参加者の1人に入っていたそうです。この話は後日野口コーチから聞き、杏ちゃんもギネス世界記録保持者となりました。
「まさか、ダウン症を持っている自分の娘がギネス世界記録認定になるとは!」という嬉しさと「1人で跳べなくて補助付きだった」という悔しさがお母様には残ったそうです。
「成功したのはもちろん杏の努力もあります。しかし、杏1人の力だけではなく最後まで諦めずに教えてくれた野口コーチ、ワーサル東京のコーチや他のコーチ、おそらく補助付きで跳ぶことを認めてくれたワーサルの社長、補助についてくれたあかりコーチなど、周りのサポートがあったからこそ出来たことだと思っています。(杏にもそれは説明しています)運も味方してくれたかな?と思っています」
杏ちゃんは、意外なことに運動は特別好きではないそうです。
小さい頃から色々なことをやっており、お母様が上手く誘えばやってみるそう。スポーツはスキーやスイミングをやっていた杏ちゃん。今は陸上をやっているとのことです。なんでも積極的に挑戦する姿は見習いたいですね。
また、杏ちゃんがバク転に挑戦したことにより、杏ちゃんも自信がついたそうです。
「できない」を「できる」に変えたきっかけになったこの出来事は、これからもっと色々なことにチャレンジする自信がついたとのこと。
最近は「24時間テレビのマラソンランナーになりたい!」と言っていた杏ちゃん。また違う日に夢を聞くと、「ドラマに出て泣く演技をしたい!」と言っていたそうです。どんなことであれ、次々に夢を見つけていくこの姿勢は見習いたいものですね。
あなたも先延ばしにしていることや、諦めてしまった夢はありませんか?夢を叶える積極的な姿勢が、奇跡を起こすかもしれませんよ。