何かと話題の回転寿司。今回は「客席も回るタイプの回転寿司」の紹介です。Twitterで公開されている動画を見ると、なるほど!客席が速いスピードで動いています。よく見ると寿司も回っていますが手を出そうものなら…怪我をしてしまいそうです。これは、実在する店ではなく、CG映像なんです。この動画には32万超のいいねがついていて、「座るタイミング無くて草」「気分は脱水されてる洗濯物」「想像してた100倍くらい速いわ」などタイトルから想像する以上に速く動く客席に驚きのコメントが寄せられています。
このCG映像を制作したのはDaisuke Fujikawa(@cobalt_kura)さんです。現在23歳でCMのCG制作の仕事をしています。そして、趣味でblender(※)を使用してCGの映像や画像制作をし、SNSやYouTubeなどで公開しているそうです。
(※)3DCGアニメーションを作成するための統合環境アプリケーション
ー今回の作品を作ったきっかけは何ですか。
回転寿司関連の記事を目にすることが多くなったため、何かそれにちなんだ面白い動画を作れないかと考えていたところ、「席が回る回転寿司」というワードが浮かびました。爆速で席が回る回転寿司に来た、という動画ができれば面白いなと思ったので、今回CGで作ってみることにしました。
ー普段、回転寿司には行きますか。
友人と遊ぶ際にはよく行きます。
ーこの作品の中でこだわっている部分、難しかったところなどはありますか。
一番こだわったのは寿司店内のモデリング(※)です。座席や机、流れる寿司から、窓や照明なども実際に近所の寿司店に行って店内を参考にしながら制作しました。壁や天井に物が少なすぎて綺麗すぎると不自然なので、壁に額縁をかけたりレーンの上に写真を並べたりして空間を埋めていきました。最後の色調整の時にも、薄くノイズをかけたりあえて白飛びを作って映像を汚すことでCGっぽさを減らしてリアルさを出しました。
(※)3次元グラフィックスで立体物を形成すること
ー制作期間はどのくらいかかったのでしょうか。
4日間で30時間近くかかりました。
ーよく見ると、お寿司がちゃんと流れていますね。どんなお寿司が流れているのでしょうが。
まぐろ、たまご、サーモン、いくら、えび、うなぎ、えんがわ、〆さばをモデリングして乗せています。こちらも高速で回るので何があるのか分かりづらいですが。
ー体感は、どのくらいの速さなのでしょうか。
難しいですが…恐らく自動車でゆっくり走るくらいの速度だと思います。約30km/hぐらいでしょうか。
ー実際あるとしたら、お寿司は取って食べられると思いますか?
実際にあるとすればお寿司は取れないと思いますし、この速度で回っていたら寿司がレーンを外れてしまい、回ってこないと思います。
ー今まで作った作品の中で、一番大変だったのはどの作品でしょう。
今まで作った中では、『新・整理整頓術「ルメナージュ」』ですね。実写映像のマッチムーブ(※)やノートやペン等の小物の作成に1日3時間程度、1か月近くかかりました。
(※)実写映像にCG素材を合成するための技術の1つ
Daisuke Fujikawaさんの作品は、見たことのある風景が舞台設定になっていることが多く、当たり前の日常に「何が起こるんだろう」とつい見入ってしまいます。次回作も楽しみです。