16年続けた縮毛矯正を終了 今は「くせ毛=残念」を変えたいとポジティブ発信

16年続けた縮毛矯正を終了 今は「くせ毛=残念」を変えたいとポジティブ発信
くせ毛とグレイヘアを楽しむ発信をしているYukariさん(Yukariさん提供)

「残念なくせ毛ですね」「縮毛矯正するしかない」これらは、くせ毛に悩む人が実際に言われたことのあるセリフだ。「くせ毛=残念」とネガティブに捉えられてしまうのを変えたい。そんな思いでくせ毛を生かすことを発信しているのがYukariさんだ。インスタでくせ毛について発信し始めてからわずか半年で、フォロワーは9,000人を超えた。Yukariさんのもとには、くせ毛の悩みを持つ人から共感の声が寄せられている。

「くせ毛はダメ」と思い続けた

Yukariさんはもともと髪の量が多く、小学生高学年からくせが出始めた。美容院に行くと決まって言われたのは「すごいくせ毛」「量多い」「かたい」の3点セット。「こういう髪型にしたい」と写真を見せても「あなたはダメ。縮毛矯正するしかない」と言われ「自分はダメなんだ」という意識が刷り込まれていった。

結局18~34歳までの16年間、縮毛矯正をかけ続けた。安くても2万円弱ほどの矯正を、数か月に1回はやらなくてはならない。時間もお金もかかった。2人目の出産後には白髪も増えたが、白髪染めは縮毛矯正よりも頻繁にしなければならなかった。

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「美容院に行ってもワクワクできる期間ってすごく短くて。2~3週間くらいなんですよね。それで鏡見て『ああ、また白髪生えてきた。くせも出てきた』ってため息ついて。『私、これを一生やり続けるのかな?』と思ってしまったんです。そういうのに全部疲れちゃって」

自分の髪質を隠すのではなく、生かしていきたい。そんな気持ちが強くなっていった。

どんなくせ毛でもかわいくなれる

くせ毛を生かす方法をインターネットで調べると、目にとまったのは海外の人々。くせ毛やグレイヘアを楽しみ「自分らしくあろう」とする姿だった。

それを見て、白髪染めと16年間続けた縮毛矯正をやめた。最初はくせ毛をうまく生かせず、結局ストレートアイロンを使って「くせ毛を抑える」ことに集中。海外のくせ毛を生かす方法を見ても「自分のくせはパーマのようなきれいなカールじゃないから、生かすのは無理」と思い込み、なかなか挑戦できなかった。

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しかし、ネットで見たいろんな方法を取り入れ、自分に合うものを試行錯誤し、納得のいくカールが出せるようになった。その方法は「髪を洗うのは数日に1回」「ドライヤーは使わず自然乾燥」などそれまでの常識を覆すもので、Yukariさんも最初は驚いたという。

「今でもくせ毛を生かす方法を説明すると驚かれることもあります。でも『常識』と思われていることって、直毛の人をベースに考えられていることが多いんですよね。例えば、くせ毛の人は乾燥しやすいから、洗いすぎるのは逆によくないってこともあるんです」

くせ毛を生かし始めて、周りの目が気にならなくなった

くせ毛を生かせるようになったYukariさんは、同じ悩みを持つ人に届けたいと思い、インスタでの発信を開始。「お子さんに遺伝しないといいですね」と言われて傷ついた経験を投稿すると、多くの共感の声が集まった。長文で思いの丈をつづる人もいた。

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「みんなくせ毛でこんなに悩んでいるんだ。そして、その思いを吐き出す場所がないのかも、と思いました。そこで、リアルで集まって語り合える場を作ろうと思ったんです」

2022年12月、はじめてのオフ会を開催。それぞれのくせ毛にまつわる思いを話してもらった。みんなくせ毛で傷つき、悩んだ経験があり、それぞれの思いがどんどん出てくる。たかが髪だけど、されど髪。髪に自信が持てるようになると、意識が大きく変わるとYukariさんは語る。

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「くせ毛を隠していたときは、とにかく周りの目を気にしていました。目立たないように、おかしく見られないようにと、髪型も服装も似合わないものを選んでいた。他人軸で生きてたんですよね。でも、くせ毛とグレイヘアを選択してからは、そういうのが一切気にならなくなったんです。周りからどう思われようが、私がいいと思ったものを選択できるようになりました」

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世にあふれるのは「くせ毛を直す」「うねりをおさえる」などのうたい文句。くせ毛をネガティブに捉え、悩みを抱えている人もまだまだ多い。

「発信しているとよく『あなたは、たまたまきれいなカールだからできるのよ』と言われることもあります。でも、そんなことないんです。くせ毛の種類は十人十色だけど、どんな髪質でもかわいくなれるポテンシャルがあるんですよ」

Yukariさんは、今後10代の子にも話す機会を持ってみたいと語る。一番コンプレックスに感じる時期だからだ。早いうちからくせ毛をポジティブに考えられると、人生が変わるだろう。さらにYouTubeにも挑戦してみたいという。「くせ毛を生かす」選択肢を増やしていきたいと朗らかに笑った。

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