11月は、七五三参りの時期です。子どもの成長を記念撮影するという人も多いのではないでしょうか。どこで撮影をするかはもちろん、子どものいい表情をカメラにおさめるために苦労している人もいるかと思います。
今、「絵本の1ページ」をコンセプトに家族写真を撮っているMASAYAさんの写真がInstagramのリールで145万超再生されるなど話題になっています。写真を見ると、小さい狼たちが、ブドウやリンゴが入ったカゴを持って森の中を歩いています。1人は赤いフードのコートを着ているので、赤ずきんの童話の中の世界を連想させます。コメントでも「かっわいい!!思わず独り言で叫んだ」「オオカミ子供の映画みたい」「だめ、もう!メロメロ」と盛り上がっています。この写真を撮影したフォトグラファーのMASAYAさんに話を聞きました。
MASAYAさんは3歳の男の子、1歳の女の子、奥さんの4人家族。現在メインの活動は家族写真を撮る事だそうです。もともと、映画鑑賞が好きだったMASAYAさん。当時は週に10本ほどの映画を鑑賞していましたが、今は子どもが生まれたこともあり、以前のように鑑賞する機会が少なくなりました。それでも映画のような世界が好きで、子どもが生まれる前は、奥さんをモデルに撮影し加工をして、ファンタジーな写真を制作していたそうです。
「子どもが生まれて非現実的なものよりは、思い出とか成長とか(を残したくて)加工や合成をしない写真を撮ろうと考えたのですが、根本には“映画好き”というのがあったので、物語のワンシーンというか、家族が主人公になるような写真を撮って残したいという思いがありました。同じ場所に行く時は、同じ時期に行って、定点観察じゃないですけど、年を重ねるごとにストーリーになったら面白いなと思います。いつか写真に、文章をつけて絵本みたいな写真集が出来たらと妻と話しています」
今回の小さな狼たちの写真は、時期的にハロウィンがあったので、このような写真にしたそうです。MASAYAさん、去年も同じ場所で撮影しています。「テーマは、去年は赤ずきんちゃんと狼のような感じで撮りました。息子が狼で、赤ずきんちゃんとお母さんが出会うような流れになっています。今年は、流れではありますが…狼2匹となりました」
―写真撮影の時、洋服や被り物をすぐ脱いでしまう子どもに苦労している親がいると思うのですが、工夫していることはあるのでしょうか。
「ただ被せるのではなくて、ごっこ遊びの形で遊んでいるところを撮っています。指示を出すと、子どもはうまく出来ないので、本当に自然なところを切り取っている感じです。あとは妻が上手く一緒になって遊んでくれています。(今回は、)かごの中にリンゴやフルーツを入れて持って行っていたので広げて『お店やさんだよー』って言ったり、僕が遠くで撮っていたら、『パパに持っていってあげて』って言ったり工夫してくれています」
ー撮影方法を、確立しているように見えるMASAYAさんですが、撮り方に悩むことはあるのでしょうか。
「上の子が生まれて写真を撮り始めた時は、毎回抱っこしている写真しか撮れませんでした。『もっと色んな撮り方出来ないのかな』と悩んだこともありましたが、子どもが成長していくにつれて『歩きたい!』となったとき、あの時は抱っこの写真で良かったんだな。って思いました。今はさらに成長して、そして兄と妹の2人になり、撮れる写真が変わってきています。もちろん、以前上手く出来たことが全然通用しないこともあります。どういう風に撮れば上手く表情が出せるか毎回考えています」
写真撮影というと「こっち向いて」とポーズしてもらうことが多いですが、自然に遊んでいる様子を親が演出することは発見でした。1ページの写真が子どもの成長とともに、1ページまた1ページと増え、いつか1冊の物語になるのが楽しみです。