最終面接で落ちた学生を他社がスカウト!? 学生が開発、注目の採用サービス

最終面接で落ちた学生を他社がスカウト!? 学生が開発、注目の採用サービス
ABABAを立ち上げた大学院生の久保駿貴さん (本人提供)

意中の企業で最終面接まで進んだのに、最後の最後で落ちてしまった。また一から他社の選考を受けなければならない……
新卒の就職活動において、こういったケースで大きなストレスを感じる学生は多く、中には自暴自棄になってしまう場合も。そんな就職活動をする学生の苦労を少しでも和らげようと、2020年10月に立ち上げられたABABAというサービスがあります。

目指すのは企業同士で連携した採用の実現。最終面接で惜しくも内定に至らなかった学生が企業間で推薦され、スカウトされる仕組みです。そんな学生に寄り添うサービスの立ち上げ人である、岡山大学大学院に在学中の久保駿貴さんに、サービスを立ち上げた経緯や思いを聞きました。

親友のために、そしてこれから就活に臨む後輩たちのために

誰かの困りごとを解決するサービスを提供し、人を幸せにすることでお金を得たいと、起業家になることを決意した久保さん。

事業のトライ&エラーを繰り返していたときに、ある悲しい出来事が訪れます。大学4年生となり、周囲が就職活動に取り組んでいた時、幼馴染の大親友が、第一志望の企業の最終面接で落ちてしまったことがきっかけで、うつ状態になってしまったのです。

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そんな苦しんでいる友人を救うべく着手したサービスが、新卒採用において最終面接までの頑張りが評価され、スカウトに変わるサービス、ABABAでした。

学生が、最終面接まで進んだ企業情報と、その証明を提出すれば、それを見た他の企業から選考フローをカットしたスカウトが届きます。つまり、また一から違う企業の採用を受けなおす必要がなくなる可能性があるということです。また、定型文で無機質な場合の多い不合格通知のメールが、最終面接まで進んだ証として次なるチケットへと姿を変えることで、心理的なダメージも軽減されます。

キャプチャ
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当然、サービスの開発は一朝一夕にはいかず、時には疲労から蕁麻疹が出ることもあったと言いますが、
「俺が作らなきゃ誰が作るんだ、くらいの勢いは持ってました」
親友のように就職活動で苦しむ人を少しでも減らしたいという強い思いが、久保さんを突き動かし続けました。

そうして作り上げたABABAは、立上げから1年4か月で、約300社が利用するサービスに。スカウトによって、実際に内定を獲得した学生もいます。学生側からも「次への道を示してくれるのはありがたい」「苦しんでいる友達に、落ちても救ってくれるよと連絡できる」などの声が届いています。

また、岡山イノベーションコンテストでのグランプリを皮切りに、キャンパスベンチャーグランプリの最優秀賞、金の卵発掘プロジェクト2021の審査員特別賞受賞と、数々のビジネスコンテストでその価値を評価され、新しい採用プラットフォームとして注目を集めています。

20220…真
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久保さんは、「ABABAという船に乗って生きていく」と、今後さらにこのサービスを成長させていく覚悟です。

「就活生は45万人くらいいますので、(まだ)知っている人なんて1%にも届いていないと思うので、ABABAを皆さまに届けることで、少しでも就職活動で苦しむ人を減らしていきたいというのがゴールです」

メンバーとの写真
メンバーとの写真

人生の岐路ともいえる就職活動に臨む学生に手を差し伸べる、“あるようでなかった”このサービス。多くの学生の救いとなるかもしれません。

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