陸上自衛隊の日本原駐屯地で11月28日、創設56周年の記念行事が開催された。地域との連携強化などを目的として開催されているこの行事について、今回は広報室室長の南條和志3等陸尉(以後、南條3尉)に話を聞いた。
2021年のテーマは『輝け日本原』
56周年目の記念行事。『輝け日本原』というテーマの元、総勢約250名の隊員たちの観閲式から行事はスタートした。日本原駐屯地をはじめ、中四国地方各地の部隊が参加し行進する様子は圧巻だ。
2021年の目玉は模擬戦。例年より大砲の数を増加させた空包射撃や、戦車が大きな穴を超壕する様子など、間近で日頃の訓練の様子を観戦することができ、その場にいた人々も息をのむほどの大迫力だった。
「大きな音がします耳を抑えて下さい」というアナウンスがあるが、火砲から打ち出される大きな空包は、耳を抑えていても音が大きく響き、その場にいる人の体全体に振動が走る。
模擬戦に登場した74式戦車は、年間40両程度の速さで退役が進んでおり、とても貴重な存在だ。この74式戦車が動く姿は、あと2~3年ほどで見ることが出来なくなるかもしれない。
応募抽選の倍率は2.8倍!?
例年、多くの来場者で人気の記念行事だが、新型コロナ禍を受けて、入場者数を500名に限定して開催された。2021年の応募総数は約1400名で、チケットを手に出来た人はラッキー!
戦車の試乗体験は人気イベントのひとつだ。1回の試乗体験の定員は6名で1周約3分のコースを走行。試乗体験した人は「すごい振動だったけど、楽しかった」と話していた。
このほか、第13音楽隊の演奏も披露された。なかでも注目は、チャイコフスキー作曲の「1812年」。楽器として本物の大砲を使用するという、自衛隊だからこそ出来るコラボ演奏が行われ、観客を魅了していた。
地域に開かれた自衛隊へ
日本原駐屯地では、駐屯地見学や職場体験での訓練見学、食堂利用の他、公開展示品の一部開放、少年少女ソフトボール大会など、地域とのつながりも幅広く行われており、またSNS等で情報の発信も行っている。
「コロナ禍で、2020年に続いて2021年も抽選応募開催となりましたが、2022年こそは、一般開放し皆さんに楽しんでいただきたい」と話す南條3尉。この行事に参加したことのない方はぜひ、迫力ある模擬戦や貴重な戦車を見に、訪れてみてはいかがだろうか?