プロバスケットボールB2・香川ファイブアローズのテレンス・ウッドベリー選手は、抜群の得点力を誇るエースであり副キャプテンです。アメリカ出身で2012年に来日し、2018年から香川ファイブアローズに所属。2021年で4シーズン目を迎えます。
ウッドベリー選手の出る試合には、家族の姿があります。実は夫婦と3男3女の合わせて8人家族というビッグファミリー。選手プロフィールには、マイブーム・趣味が「家族とリラックス」、オフの過ごし方が「家族とゆっくり時間を大切にする」と書かれていて、家族を大切にしていることが伝わってきます。
「家族は自分の安らぎの一部であり、高みを目指す人生の一部」
夫・父であることを誇りに思うウッドベリー選手の、プロバスケ選手とは異なる一面を取材しました。
8人のビッグファミリー
ウッドベリー選手の家族は、妻のニーナさん、長男ジェイデンさん(14歳)、次男アイザイアさん(8歳)、長女ゾーイさん(6歳)、三男エズラさん(2歳)、次女ザラさん(1歳)。そして9月には三女が誕生し、8人家族という“ビッグファミリー”になりました。
家の中はいつもエネルギッシュでにぎやか。子どもたちは仲良く、ボードゲームやカードゲーム、映画鑑賞をしながら、想像力を働かせて遊びます。
長男のジェイデンさんは父母からの信頼も厚く、献身的に弟妹たちの面倒を見ます。大きな家族を養うためには「ジェイの助けが欠かせません」とウッドベリー選手は話します。妻のニーナさんは頼りがいのある人で、子どもたちに愛情を注ぎ、夫を支えています。
ウッドベリー選手は常に「妻の負担を少しでも減らしたい」と心掛けています。特にニーナさんが6人目の出産を控えていた時、疲れやすい母体を思いやって料理や買い物などに行きます。
子どもたちに「学校はどうだったか?」と聞いてあげることも大切。1人1人に「どんなことに興味があるか知りたいんだよ」と伝えるよう、心掛けているそう。
「ビッグファミリーを持つことは、大きな責任と頑張りが伴います。なので、妻には最大限のサポートをしてあげようとしています」
家族の大切な2つの“道しるべ”
来日後に3人の子どもが生まれたウッドベリー家。日本での生活に不安を感じることなく、前向きなチャレンジとして日々を楽しんでいます。
「私たちは日本の良さに気づき、学んでいます。だからこそ強く自分たちを持ち、家族として助け合い、日本になじんでいこうと思っています」
ウッドベリー家には、家族が1つになるための、大切な2つの“道しるべ”があると言います。
1つ目は「子どもたちが大切」という思いです。
ウッドベリー選手は、大切にする神の教えを軸にして「家族とは、夫婦とはどうあるべきか」と、ニーナさんと人生について語り合います。父として母として、夫婦のあるべき形を求め、どのように子育てをしていくかなど、コーヒーを飲みながら語り合う時間を大切にしています。疲れて帰ってきても、会話を大切にするのは、子どもたちが大切だからです。
2つ目は「自分たちはどういう人間なのか」ということです。
「自分たちは黒人というルーツを持ち、アメリカから来たことで文化や言葉も少し違っています。『強く生きていかなければならない』と、子どもたちもおのずと感じています。このマインドセットを持つことで家族が助け合い、1つになっています」
ほんの少しでも。それが家族の形となる
子どもたちに自分の背中を見せ「自分の父親はこんなことをしてくれたんだ」と将来へ引き継いでもらいたいと思っているウッドベリー選手。自分が良い評価軸とならなければならない、と心掛けています。
また「ほんの少しのことが大きな力になる」と語ります。
「例えば少しだけ早起きすること、できる範囲でお手伝いしてもらうこと。できる範囲でいいので、いつもより少しでも多くやることが、大きな力や助け合いになり、それが“家族の形”となるんです」
たくさんの子どもたちと共に過ごすウッドベリー選手とニーナさん。待ち遠しかった赤ちゃんを家族で迎え入れ、笑顔と温かさに満ちた“家族の形”を支えていきます。
もう1つの“家族”と共にプレーオフを目指す!
「今シーズンのチームは、出だしからパーフェクト。必要な人材が補強され、さらに自分の課題をクリアしたメンバーがそろっています」
10月2日から始まった今シーズン。ウッドベリー選手は「ぜひサポートしてください」と語ります。全員が万全の状態で“1つのまとまり”として強くなり、ビッグゲームに勝ちたいと、今シーズンの目標を掲げます。
ウッドベリー選手は、10月2日と3日のアースフレンズ東京Zとの2連戦にも出場。何度も得点を重ね、チームの連勝に貢献しました。家族を精神的な支えに、香川ファイブアローズというもう1つの“家族”と共に、プレーオフ、ファイナルを目指して戦います。